JRってお金をかけるところにはきちんとお金をかけているけど、その分勤務している人間の数は相当減っていると思います。
私が駅勤務をしていた昭和50年代には自動起床装置なんてもちろんなく、目覚まし時計かモーニングコールで目覚めるのが当たり前でした。
管区長所在駅の各改札の駅員は目覚まし時計で、管区内の他の駅はモーニングコール。
駅長室勤務の内勤(旧 駅手・駅士)は朝3時過ぎに目覚まし時計で起床し、当時はまだ方向幕(表示幕)装着車両が少なかったので、始発が動き出すまでに看板整理(運行標識板・方向板)を行って所定数に合わせ、その後管区内の各駅へモーニングコール。
この当時の各駅の電話機って親子電話になっていて、駅へ電話をかけると改札と寝室双方の電話機のベルが鳴るので、寝室の方で電話が鳴らないなんてことは故障でもしない限りありませんでした。
親子電話って切り替え操作などもいらないかわりに、改札口での電話での会話を寝室の電話でも聞けたり会話にも参加できたりもするんですよね。
管区長所在駅の係員の中にも目覚ましでは不安だという方がいて、そういう方は内勤が直接起こしたりもしていました。
ちなみに乗務員はこの当時「起こし」と呼ばれる専門の係員がいて、起床時間に合わせて一人一人起こして回っていました。
「宿直は就寝前、二つの目覚まし時計に加え、セットした時間に背中が起き上がる自動起床装置を設定する決まり」
とのことですが、このいずれも設定を忘れたという事のようですね。
私は駅での泊まりの時って、モーニングコールや目覚まし時計で起きられなかったらどうしようって不安になることが多く、ホントにごく浅い眠りでした。
昔の駅の電話機ってすべてが黒電話だったのですが、ベルが鳴る少し前に“カチッ”っていう感じの小さな音がするのですが、たいていはその小さな音がした瞬間に受話器を取っていました。
で、起きて駅の準備が整ったころになると猛烈な眠気に襲われて・・・
「駅員から午前5時半までに他駅の運輸センターに起床報告がなく、電話にも出なかった」
自分で起きて起床したことを報告するシステムとなっていたのですね。
そして電話も改札など駅務室内だけに設置してあって、寝室には無かったのかな?
そう思うと昔の駅のように寝室にも電話があって、親子電話になっていれば始発までには改札を開けることができたのかなと思います。
自動起床装置はもちろん良いのですけど、すべてを一人で行い全ての責任を一人で背負わなければならないっていうのも、任務の大きさから言うと厳しいなあと思いますね。