4月1日です。新入社員や大学の新入生たちが、大勢乗車してきます。
4月中は特に朝のラッシュの電車に乗り慣れていない人が多く、一つのドアに固まって乗車しようとするので、どうしても停車時間が通常より長くなりがちです。
車掌はドアを閉めようにも、1か所のドアだけ黒山の人だかり状態で閉めることができなかったり、やっと車内に入ったと思ってドアを閉めてもカバンなどが挟まれていて、ほとんどの車両で車側灯が点きっぱなしなんてこともあるし。
そしてどの列車も同じような状況ですかから、自分が担当している列車の遅れを取り戻そうと運転士が飛ばしたとしても、すぐに先行の列車に追いついてしまう。
追いつけば当然ブレーキを掛けなければ、ATSなど保安装置によって強制的にブレーキが掛かるので、将棋倒しの危険性が非常に高くなる。
何せ超満員の電車に乗り慣れていない人が多いですから、ちょっとガクッと揺れるだけでドタドタドタって客室からすごい足音が聞こえてきますからね。
それこそブレーキを掛けるにしたって、まず軽くブレーキを掛けて電制を立ち上げて、そこから徐々に圧力を強めていかないと、すぐに乗務員室の仕切り扉からミシミシミシって音が聞こえてきたり、勢いよく仕切り扉にぶつかる音なんかも聞こえてきますからね。
でも最近はオンライン形式の入社式なども増えていると言いますし、大学も入学式の規模を小さくする傾向にあるようだし、4月1日だからと言って特別車内が混まなくなっているのでしょうか。
特に新型コロナによって行動が一変していますし、やはり昔とは違うのでしょうか。
昔は駅や乗務区の助役だけでは足りないからと、普段はデスクワークのみの庶務関係の人間まで借り出して、各駅のホームで「押し屋」さんをするというのも、4月の風物詩でしたけどね。
それに車内で体調を崩す人も、4月は特に多かったイメージがあります。
緊張や今までとは違った生活のパターンもあるし、超満員の電車に乗るだけで体調が悪くなる人もいますからね。
中には夜型の生活から朝型の生活への切り替えがうまくいかず、それで混んだ電車に乗車して気分が悪くなる、なんて人もいるでしょうし。
ちなみに私が勤務していた会社では、本社勤務の人たちは4月1日に入社でしたが、現場勤務の人は3月15日ごろに入社し、4月1日ごろなんて机上教育が中盤に差し掛かる時期でしたけどね。
なので3月の末には正社員としての初めての給料を手にしていましたよ。
そういえば定期券も券売機で購入できる会社が多くなり、JR東なんてモバイルsuicaの定期券があるなど、だんだん定期券売り場で定期券を購入することも減っています。
昔は4月1日から10日ごろまでは定期券売り場はめちゃくちゃ混んで、みんな「定期祭り」なんて言い方をしていましたけどね。
もう「定期祭り」なんて状態にもならないのかな。
10数年前と今とでは、春に見られる光景も随分と様変わりしているのでしょうね。