Yahoo!ニュースに出ていた運転士は「寝ていない」と話す…JRの普通列車が誤って停車予定の駅を通過 列車2本が遅れ約40人に影響という記事。
コメント欄は相変わらず運転士に対しての非難の言葉が並んでいます。
そりゃそうでしょうね、寝ていないと言っているけども、もしも無意識のうちに停車駅を通過しているとしたら、その方が怖く感じるでしょうから。
運転士はおそらく
「止まった記憶が無いんだけど・・・大丈夫かな?」と心配になって運転指令に連絡したのでしょうね。
そして車載のドラレコを確認したらやっぱり通過していた。
これ車掌や運転士をしていたら絶対に1度や2度は経験するやつです。
中には仮眠時間が短いのが問題と真っ当なコメントを残している方もおられるようですが、正直言って前日は休日で睡眠時間たっぷりで出社して乗務していても、同じ現象に襲われることがあります。
ついでに言えば、睡眠時無呼吸症候群(SAS)でなくとも今回の現象に襲われることがあります。
注意力が散漫だったと言われればそれまでなんだけど、意外と体調が良い時の方が襲われる確率が高いような気がします。
私は運転士時代には経験していませんが、車掌の時に1度経験があります。
気が付いたら数駅先を走行しているんだけど、途中の駅に止まった記憶もなければ、放送した記憶も扉扱いをした記憶もない。
本当に怖かったですよ。
自分がどんな操業をしたのか、まったく記憶が無いのですから。
逆に車掌をしていて途中の駅で運転士から
「○○駅と△△駅止まってたか?」
と、インターホンで聞かれたことがあります。
この時は私がはっきりと覚えていたので、
「きっちり止まってましたよ、いつもよりショックも無かったし」
と、笑いながら返答した記憶があります。
私の場合は実害には繋がっていないので問題にならずにすみましたが、今回のJR東海の運転士のケースでは誤通過してしまったわけですからね。
私より相当歳上のベテラン運転士の方が、一度同様に誤通過した件を思い出しました。
支線乗務の時にいつまで経ってもノッチをオフにせず、ついには駅に差し掛かっているのにそれでもまだノッチを入れ続けた。
車掌がベルを乱れ打ちして運転士に知らせたものの反応がなく、車掌が車掌弁を操作して列車を止めたものの、正規の停止位置から200m過ぎた地点だった。
そこから運転士は強引にバックして駅に引き返して停車した。
この時も運転士は居眠り運転ではなく目はばっちり開いていたのだが、頭の中はふわーっとした状態で何も考えていなかった。
車掌によるベルの乱れ打ちも聞こえていなかったというし、乗務しているという意識も何もなかったと言います。
別に病気だったとか、睡眠不足とか、睡眠時無呼吸症候群でもなかったし、この人は下戸だったからお酒の影響もなかった。
結局は無意識だったとしか言いようがないかもしれないけど、よく乗務員間では「エアポケットに入った」という言い方をしていました。