JR高崎線の軌道内に自転車を放置して接触させたとして、24歳の男性が逮捕されたそうです。
容疑は刑法125条の1の電汽車往来危険罪。
この自転車との接触で高崎線は約2時間にわたって運転が抑止され、上下線で28本の列車が運休となったらしく、朝8時ごろの事件だったので約2万400人に影響が出たとか。
3月12日に起きた事件だそうですが、周辺の防犯カメラの映像などから犯人を特定して4月7日の逮捕に至ったそうです。
自転車と接触して100mほど引きずったらしいので、速度はあまり出ていなかったのでしょうね。
私も運転士になって1年もしないうちに、軌道内に立てられていた自転車と接触して500mほど引きずったことがあります。
夜11時を回っていたころで、優等列車を100Km/h以上の速度でかっ飛ばしていた時、ヘッドライトが映す前方の線路内に自転車が見えてきました。
周囲は木が多く生える神社などによって真っ暗な場所。
ヘッドライトで照らされた自転車を発見した時点で、非常ブレーキを入れても到底止まることができない距離まで接近していました。
非常ブレーキを入れてしばらくするとガン!っていう大きな音と振動が伝わってきて、その瞬間に車内灯や運転台の計器灯などが消灯して真っ暗に。
おそらくですが、自転車と接触した時にバラバラになった自転車のパーツか、軌道内のバラストを巻き上げてMGに直撃して止まっちゃったのでしょうね。
停車してしばらくしたらMGは起動したようですが。
スカートが付いた編成でしたが、自転車はそのスカートをへし折って車輪に巻き付くようにへばりついており、台車の下に潜り込むように入って、足で蹴って撤去しました。
現場に止まっていたのは15分ほどだったでしょうか。
本当ならばもう少し早く自転車を撤去して運転再開できたはずなのですが、とにかく運転指令が
「運転再開はできませんか」
「運転再開はまだできませんか」
「運転再開までにどのくらい時間がかかりそうですか」
「自転車くらい撤去できませんか」
なんて聞いてくるから、そのたびに台車の下から乗務員室に戻って応答していたから時間がかかってしまったんですよね、
途中から運転指令からの無線を無視して自転車の撤去を進めていたら
「運転士か車掌は無線に出られませんか!」
なんて怒鳴りだすし。
運転指令が運転再開までの時間を延ばす原因を作っている、という気がしましたからね。
2018/3/22 運転指令は落ち着いてください
私のこの件の時は、事故車である私の担当列車は15分遅れで運行し、下りの折り返しは行き先変更となりましたが旅客扱いをしました。
運休は0だったし、この件で警察に事情聴取を受けることもなかったし。
乗務区でも5分ほど事情を聴かれただけで終わりましたから、往来危険罪での捜査もしていないでしょう。
もう40年近く昔のことですから、防犯カメラなんて設置されてもいないし、捜査しても犯人を見つけることが難しかったでしょうし。