続けて丸ノ内線の話題になってしまいますが、2022年5月13日9時13分ごろ丸ノ内線中野富士見町駅で、運転士がドアの開閉を失念して列車を出発させたという事案がありました。
列車は駅に停車させたとしてもドアを開閉せず旅客扱いを行わなかったので、停車駅を誤通過した運転事故として扱われます。
東京メトロの発表では
- 眠気によりドア開閉操作を失念し
- 旅客の乗降が終了したものと思い込んだ
- 列車を出発させ次の方南町駅まで運転した
眠気によって作業を行ったと勘違いしてのことでしょうか。
そして
- 全ての乗務員に対して、改めて基本動作の指導、徹底を行い、再発防止に務める
- 眠気防止対策の徹底を図ります
との発表を東京メトロが行っていますが、眠気防止対策の徹底っていったい何をするの?
これまでにも居眠り防止対策なんて鉄道会社は真剣に考えていないと書いてきました。
だって今の乗務員のシフト(仕業)って、夜の乗務終了から朝の出勤時間までの間が6時間程度しかなく、長く眠れたとして4時間が限界でたいていの乗務員は2~3時間眠れれば良いほう。
これを解消するにはシフトの全面的な見直しが必要ですから。
今のダイヤを維持するには乗務員の大幅な増員か、仮眠時間を延ばす代わりに出勤時間を早めて退勤時間は逆に遅くして、全体的な乗務量を維持するかしかないです。
でも実際の話、昼食後の乗務なんて地獄以外の言いようがない位きつかった。
今だから言えるけど、各駅停車で数駅ほど止めた記憶が無かったりするんですよ。
ふと目が覚めるというか、正気に戻ったというか、数駅先で頭が正常に動き出した時に
さっきの駅って止めた記憶が全くない・・・
終端駅に着いたときに車掌に
「○○駅と△△駅と□□駅ってきちんと止めてた?」
って聞くこともありましたし、逆に車掌の時には乗務中に
「××駅と※※駅って止まった?ドア扱いした?」
ってインターホンで聞かれたこともありました。
そう思うと夜間の仮眠時間だけを確保しても、居眠り運転の根絶には程遠いのかな。
結局は眠気に負けないように、そしてお客さんにバレないように刺激強めのガムを噛むか、フリスクやミンティアを口に含むくらいしか対処法はないですね。
私は服用したことがありませんが、どうしても眠気が取れなくて困っていた先輩運転士は、休憩中に薬局に駆け込んで「オールP」というアンプルに入った薬を購入して飲んでいました。
うちの乗務区の乗務員がよく購入するからか、本来は2本入り(だったかな?)で販売されているのですが、乗務員向けに1本ずつ販売していたんです。
オールPはかなり強烈で、メガシャキとかモンスターとか眠眠打破とは比べ物にならないほど眠気防止に効果があります。
2本を一度に服用した猛者は、日中に服用したらその日の晩も眠れないし、明けで乗務しても全然平気で、仕事が終わって帰宅すると起き上がれないくらいに爆睡したとか。
※オールPは関西の方はラジオCMで耳にしたことがあると思いますが、関東では販売していないかも
運転士とはいえ人間ですから食後はどうしたって眠たくなるし、仮眠時間が短いですから朝は自然とまぶたが閉じてきます。
精神論で語られたとしても、睡魔にはなかなか勝てませんから。