夕方テレビニュースを見ていると、速報として流れてきたJR西日本の吹田総合車両所京都支所(旧 京都総合運転所 向日町運転所)の構内運転士が飲酒運転をしていたという件。
JR西日本メンテック向日町営業所という車両の清掃や点検、それに伴う車両基地内での車両の移動を行う会社でJR西日本の子会社です。
構内運転士は車庫構内での入換運転のほか、駅と車庫との間を行き来する車両を運転する業務のみを行う運転士で、本線路上を運転することはできません。
動力車操縦者免許は必要ですが一般の運転士ほど長い期間の見習もなく、運転できる場所が限定されていることから限定免許とも呼ばれています。
問題は飲酒運転ですね。
報道やJR西日本の発表によると、早朝で出勤管理を行う担当者がいない間にアルコールチェッカーを使い、自ら数値を0と記録簿に書いたり、担当者がいてもアルコールチェッカーの数値を確認せずに記録簿に0と記入するなどしていた。
本来必ず出勤管理を行う担当者の目の前でアルコールチェッカーを吹き、その数値を担当者が確認して一切体内にアルコールが残っていないことを証明する必要があるのですが、まったくその体制ができていなかったということですね。
しかし社外からの通報で発覚したということですが、外のお店で飲んでいたところを見られていたのか、お酒を購入するところを見られていたのかは分かりませんが、平成の初期のころまでならいざ知らず令和に入って飲酒運転が発覚するとはさすがに驚きです。
これまでにこのブログでもさんざん飲酒する駅員や乗務員、それに助役などの監督者のことを書いてきましたが、それらは昭和から平成の初期までのこと。
私は平成26年(2014年)まで運転士をしていましたが、その当時でもアルコールに関しては必ず担当者の前でチェッカーを使ってチェックを受け、規定値以上のアルコールが検知されれば当日は乗務禁止のうえかなり絞られていました。
ずるがしこい乗務員や監督者の中には、アルコールチェックで引っかかると有給休暇を取らせて帰らせて、アルコールチェックで引っかかった事実自体を消してしまうこともありましたけど。
今もこんなことをやっているのかは知りませんが……
とにかくアルコールチェックで引っかかれば乗務はさせないことが当然という流れでしたし、2~3回アルコールチェックで引っかかるといわゆる「日勤教育」という流れでした。
私が退職してい以降の令和元年10月からは省令の改正で、アルコールの確認を行った担当者と確認を受けた運転士の氏名、確認の日時や方法、そして酒気帯びの有無を記録し保存することなどが定められており、今回のJR西日本メンテックの事象ではこの省令に違反していることになります。
JR西日本中国メンテック米子事業所でも、向日町と同様に適切なチェックが行われていなかったと今回JR西日本が公表しており、この流れだと国交省からすべての鉄道事業者に対して、アルコールチェックの実施方法などをもう一度点検しろときつく言われるでしょうね。
写真は年末年始にかけて多くなる飲酒運転をしないよう呼びかけるヘッドマークを付けて走行するJR貨物のEF81です。
自動車の運転者に対しての啓もう活動の一環なのに、まさかJRグループで飲酒運転が発覚するとはねえ。
ヘッドマークに「STOP!!飲酒運転」 ステンレス車体の機関車〝銀釜〟がPR 鹿児島駅にも登場 JR貨物
写真は南日本新聞より引用させていただきました。