今朝(2022年12月2日)ワールドカップで日本がスペインを逆転で下して予選を1位通過……という話題はこのブログでは関係ないので、Yahoo!ニュースで乗り換えできなかった…電車の“サイレント遅延”に批判続出も、鉄道会社には「時間の約束はない」という記事について少し書いていこうと思います。
最近はコロナによる自粛がかなり解除されて、かなり朝の通勤ラッシュが戻ってきたこともあり遅延する列車が再び目立ち始めているようですね。
ダイヤの設定自体に無理があるほか、いろいろな理由で列車が遅れるわけですが、その辺りの詳しい話は「電車屋さんだったころの話 Ⅰ」でしておりますのでお読みください。
車掌や駅係員によって遅延したことに対する放送の基準が違ったりします。
ある車掌は2分の遅れでも放送するし、ある車掌は5分近く遅れていても放送しなかったり。
駅係員も車掌と同様で基準がありそうでない感じがありますよね。
運転指令所には大きな運行パネルのほか各指令員のデスクに1台ずつモニターが設置してあり、そちらには遅延情報が事細かく表示されます。
私が在籍していた会社では朝夕ラッシュ時間帯は1分以上、閑散時間帯は3分以上の遅延発生で警報が発せられます。
なのでTwitterなどでよく言われるサイレント遅延と呼ばれる少しの遅延でも、運転指令サイドとしてはその情報を把握しています。
ただし各社の運行情報を示すアプリには、15分とか30分といった時間以上の遅れの場合に表示されますよね。
1分とか2分の遅れでアプリに表示させちゃうと、朝なんてズラーっと遅れている電車の情報が並んで逆に分かりにくくなるということもあって、あまりにも影響が大きいと思われる時間以上の遅れに限って表示されています。
ちなみにアプリなどの更新は、運転指令の情報を受け取った別部署の方が入力することで表示されます。
でもせめて車掌や駅係員が3分とか5分も遅れている時は、そのことを伝えてくれたらその後の乗り換えのことなども利用者側で判断できるのにと思いますよ。
私が運転士の晩年頃の話ですが、ある車掌は1分ほどの遅延でも放送していた。
でも乗り換えた別の列車の車掌は、同程度の遅れに対して何の放送もしなかった。
お客さんにすれば、先の列車では1分の遅れの情報とお詫びの放送があったのに、乗り換えた列車では同じように遅れていたのに何の放送もなかったのはおかしくないか!とクレームが入ったことがあります。
何でも包み隠さずに情報を開示するほうが私も良いと思うのですよ、「お客様対応」とか「信号確認」だなんてわけ分からない言い方をするよりはね。
でも遅れの情報の場合はある程度のところで線を引くべきだと思います。
私として2分以上の遅れが出れば、遅延の情報を出すべきだと思うけど。
私が事務職に異動したころに、私がいた会社では基準を決めたのです。
3分以上の遅れの場合であって、運転指令から各列車に遅延情報を放送するようにと指示があった場合には、車掌は放送をすること。
それ以外の場合は車掌の勝手な判断で放送しないように。
こんな決まりができたと、耳にしたのです。
2分50秒の遅れも約3分だとして放送する車掌もいれば、3分20秒ほど遅れているけど運転士がかなり頑張って飛ばしているから放送しないとする車掌もいるかもしれないなど、時間だけで区切っても車掌・駅係員によって判断が異なることがあるから、遅延情報の開示(放送)については運転指令の判断によるところとしたわけです。
これが良いのか悪いのかは分かりませんが、ただ実際の運用では5分以上遅れていても放送の指示が出されていない気もするのですが……
鉄道会社としては、ダイヤ通りに運転できなくてごめんなさいとは言うかもしれませんが、それ以上のことはしませんからね。
遅れに関しては保証がなく、あくまで契約した区間(きっぷや定期券の着駅)を送り届ければ契約は履行したことになりますから。