JRにもたまに乗車することがあるのですが、車掌が笛を吹いている場面に遭遇することは皆無。
私鉄でもそうですが、私が在職中にほとんどの会社で車掌が笛を吹くことを省略したんですよね。
車掌が通常携帯している笛は手笛(呼子笛)で、小さい割にはよく響く笛です。
私が勤務していた会社では昔は大半の車掌が、ひもを外してキーホルダーを付けていました。
笛だけをズボンの前ポケットに入れて、キーホルダーは外へ垂らしているというスタイルが定番でした。
いくら良く音が響くと言っても、長編成になってくると先頭車両まで笛の音色が届くはずもなく。
だからといって目一杯吹いたりすれば、車掌のすぐ近くにいる旅客にはうるさすぎて迷惑以外の何ものでもないし。
それに苦情も多かったですしね。
うるさい以外にも、人間に対して笛で指示するなんて私は家畜ではない!って苦情を車掌時代に直接受けたこともありましたしね。
なのでてっきり車掌は笛を吹かなくなったのだと思っていたら、JR東の新潟支社やJR西の米子支社や岡山支社管内では呼子笛に代わって電子式のホイッスルを使用しだしたのだとか。
コロナ対策として呼子笛から電子式ホイッスルに変更したようですが、今でも車掌が笛を使うシーンが見られるようですね。
会社による違いはあるのですが
私が車掌になった頃って、上りと下りで笛の吹き方を変える必要が規則上はあったのですよ。
私が勤務していた会社では運転取扱心得(運心)にそのことが記載されていたのですが、誰もその通りに笛を吹かないので有名無実化しており、私が車掌の頃にその規則が改定されてしまいましたけどね。
通常は長一声で笛を吹くことが多いと思いますが、私が勤務していた会社の規則には下りは長一声(ピーーー)で、上りは短長一声(ピッピーーー)と吹き分けることになっていました。
上りと下りのどちらの列車の閉扉予告なのかが分かるようにと区別されていましたが、それが分かるのは乗務経験のある社員などしかいませんものねぇ。
私が車掌の頃にはただ笛を思いっきり吹くのではなく、みんなそれぞれ工夫して吹いていたんですよ。
吹く息の量を変えてみたり、手笛を手で覆うようにしたり完全に開放状態にするなどして、音色を変えていました。
高音と低音を組み合わせたり、少しこもるような音にしてみたり、逆に響き渡るような音にしたりしてね。
すぐ横にお客さんがいるとき、あまり音が反響しない駅、やたら音が響く駅などなどその時の状況に応じて、みんな笛の音色を変えていたものです。