新線開業で沸き立つ陰でワンマン路線がさらに拡大される
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新線開業で沸き立つ陰でワンマン路線がさらに拡大される

あくまで個人的な意見

2023年の春は新線開業で大いに盛り上がっています。

その筆頭は相鉄・東急新横浜線の開業でしょうか。

大阪ではうめきたエリアに大阪駅の地下ホームが開業し、福岡では3月27日に七隈線が博多駅まで延伸開業します。

京葉線では幕張豊砂駅の開業と言うニュースもありますし、都市部では新線や新駅の開業が続きました。

その反面、地方ではワンマン運転の拡大が実施され、3月18日のダイヤ改正からまたワンマン運転の路線が増えました。

 

人手不足より人件費抑制が目的

2023年3月18日のダイヤ改正では、JR東日本の青梅線(青梅~奥多摩)と常磐線(水戸~いわき)、JR西日本の山陽本線(岩国~下関)などが新たにワンマン運転となりました。

JR東日本で言うと在来線66線区のうち47線区でワンマン運転を実施していることになります。(一部時間帯のみワンマン運転を行う路線も含む)

ワンマン運転を実施するにあたって、当該路線を担当する運転士に対してワンマン運転の講習を行い、車両もワンマン運転対応の改造を行う必要があるので、初期投資はそう安いものではありません。

しかし実施してしまえば車掌の人件費がまるまる浮くので、経費の削減としてはかなり大きなものになります。

 

ワンマン運転は多くの鉄道会社で、人手不足が叫ばれるよりはるか昔から実施しており、人件費削減が目的なのはすぐに分かることですね。

これまではローカル線での実施が大半でしたが、最近では幹線での実施も多くなってきました。

都市部の私鉄でもワンマン運転を実施する路線は多くなっており、運賃収受などは従来通り駅で行う〝都市型ワンマン〟が増えてきています。

今後も都市部の私鉄を含めて幹線系の路線でもワンマン運転はさらに拡大するでしょうし、山手線などのようにドライバレス運転も始まっていき、その流れは今後も続いていきそうです。

 

ちなみに私が在籍していた会社では、ワンマン運転を担当すると少しだけ手当が出ていました。

1日数百円なので、会社としては車掌を削減する価値は大いにあるということです。

 

 

昔はバスにも車掌が乗務してたが

今でも路線バスに車掌が乗務していることはあるのでしょうか。

私は幼少期(50年以上昔)に神戸市バスの「急行」に車掌が乗務していた記憶があり、山陽バスも1997年まで車掌が乗務していたようです。

西東京バスでも一部の路線で車掌が乗務していたそうですね、今はさすがに乗務していないのかな?

遅くまで車掌が乗務していたバス路線は切符の発売のためではなく、道幅が狭い道路を通行するため安全確認が必要なことから乗務していたわけですね。

それらの路線の中には道路が改修されて車掌の乗務が不必要になった路線もあるかもしれませんが、大半は道路はそのままでモニターを運転席に設置するなどしてワンマン運転に移行しています。

それだけ運転手に負担がかかる運行となっているのですが、鉄道ではどうでしょうか。

 

鉄道の場合はバスと違って線路の上を走行するので、道路のように狭くて運行が難しいような箇所はありません。

路面電車は自動車が接近するなど危ない場面はありますが。

運転士が通常の運転をする上では特に違いはないのですが、これまで不必要だったドアの開閉や案内放送(自動化されていることが多いけど)が加わる程度で、特に煩雑となる部分はないように思います。

でも怖いのは2両以上の編成のワンマン運転で、駅にホームドアや柵などが設置されていない時ですね。

車掌は駅から列車が出発する際には出発監視(側方監視)を行います。

駅から列車が出発する時に、ドアに挟まれたいる人や物がないかなど異常の有無を監視しているのですが、出発直後の列車に接触する人がいないかを監視するのも近年は重要な仕事の一つとなっています。

昔はお酒を飲んだ人が千鳥足になって動き出した車両に接触する事故のほうが多かったのですが、最近は電車から降りてホームを歩きながらスマホを操作し、本人は気付かないうちに斜めに歩いて列車に接近し、動き出した列車に接触するという事故がかなり多くなっているのです。

編成が3両とか4両ほどあって、ホームドアや柵の無い駅を出発するワンマン列車。

出発監視(側方監視)は誰も行っていません。

運転士は列車を動かした瞬間に前方注視をしなければいけませんので、列車出発時の車両側面での事故に関してはお客さんの側が自分自身で注意してもらうしかないのです。

私が在籍していた会社でも、ホーム上の安全確認を終えてからブレーキを緩めてノッチを入れるが、ブレーキを緩める瞬間からは運転士の業務のみを行う。

側方の安全確認もブレーキを緩めるまでに行い、起動後に車両側面に旅客が接触する事故が起きても、運転士はその責任を負う必要はないと指導されていました。

路線によっては柵だけしか設置していないけども、センサーを使って柵より車両のほうへ近づいた瞬間に非常ブレーキがかかるような安全対策を実施している路線もありますが、大半の路線では何も設けられていません。

私がいた会社のワンマンの路線もホームミラーの設置程度で、特別に何かを設けたということはありません。

このホームミラーですが見るのはブレーキを緩めるまで、ブレーキを緩めて以降は前方注視のみを行わなければいけませんでした。

 

 

今後もワンマン運転はさらに増加する

会社によっていろいろと考え方があるでしょう。

2両までならワンマン化しても安全上問題は無いとか、3両までなら、4両までなら、それ以上の編成長の場合は可動柵や固定柵とセンサーの設置とか、監視カメラを車体に設けるといったことも行われるでしょう。

ただ言えることは今後もワンマン運転は全国的に広がるということ。

ホーム上の旅客の安全はある程度確保できるように設備を整える会社が多いのですが、その反面車内の安全に関しては今のところ運転士一人にその責任をすべて被せていることは大いに気になります。

2021年に発生した小田急や京王のような事件が、4両以上のワンマン列車で起きた場合どうするのかなとやっぱり思います。

小田急や京王での事件後、各社で同様の事件が起きた場合に備えての訓練も実施されていますが、その多くは駅に停車した後に駅員や警察官が応援にやってきて制圧するというものですが、運転士一人で走行中に同様の事件が起きた場合の訓練なんてしていないのではないのかな。

もちろん車掌が乗務していたとしても制圧できるとは思えませんが、例えば運転士が負傷した場合でも車掌が指令に無線連絡はできるわけで、やっぱり一人よりは二人のほうが安心して乗車できるのではないかなと思います。

 

ワンマン路線はさらに拡大するでしょうし、現在ワンマン運転を行っている路線はこれ以上の経費の切り詰めが難しく収益の拡大も見込めなければ、やはり存廃問題に発展していきます。

新規路線が開業するかたわら、ワンマン運転の拡大とローカル線の存廃問題がクローズアップされていく。

スクラップ&ビルド

最近ワンマン運転を行うようになった路線も、あと十数年すると存廃問題が俎上に載せられるのかもしれません。

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