株主総会開催日は乗務区の監督職はピリピリモードで乗務員は知らん顔
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株主総会開催日は乗務区の監督職はピリピリモードで乗務員は知らん顔

日本の企業の多くは3月を決算月としているとところが多く、その3か月後に株主総会を開くことが多くなっています。

私が在籍していた鉄道会社もご多分に漏れず6月の末ころに株主総会を開いていましたから、そろそろ開催時期ではないかな。

株主総会はどこかの大きな会議場などを借りて行われるのですが、その最寄り駅は厳戒態勢となります。

その最寄り駅を管轄する駅管区の助役以上の監督職や、乗務区の助役以上の監督職は、普段はまず行わないであろうホームの掃除をしてみたり、普段は乗務員しかいないホーム上に助役が多数立っていたり。

日中なんて放送はすべて自動放送任せなのに、株主総会開催日だけはマイクを持って案内放送をしたりと、普段の平日ならば絶対にしないことに終始します。

また株主総会の開催時間が近付くと、総会が開催される最寄り駅へ向かう列車は乗務区の監督職による添乗が強化され、監督職が車掌に頼み込んで車内巡回に行くようお願いしたり、中には自ら車内巡回を行ったりもします。

運転指令も列車無線を使ってしきりに乗務員に対して、正しい執務を行って事故防止に努めるようになんて無線が、総会の日だけ流れてきたりします。

乗務区でも同じように乗務員に対して、とにかく執務を厳正に行えと朝から夕方までずっとマイク放送が繰り返され、株主総会の時だけ良い子ぶってくれ的な雰囲気が醸し出されます。

鉄道会社の株主総会に出席する株主さんはおそらく自社の電車に乗ってくるだろう、だから株主さんの機嫌を損なわないように躍起になるわけです。

株主総会で乗務員や駅員に対するクレームが出されたら、駅管区や乗務区の監督職が本社の偉い方々からきついお返しをされるでしょうからね。

 

私も少しだけ乗務区の助役をしましたので、この株主総会対策で明けなのに夕方まで強制的に残されて、強化添乗や株主総会最寄り駅で乗務員の監視をさせられましたが、やる気のある助役連中はそれこそ乗務員に対して、

確認喚呼はもっとしっかり声を出して行え

乗務場所交替は速やかに行い、出発時刻まで乗務員室で待機しろ

※終点の駅が株主総会の最寄り駅だったから

なんてことを全乗務員に声掛けしたりしていました。

ちなみに私は総会会場に近い改札を避けてできるだけ遠いホーム上にいて、乗務員と普段と同じように雑談していましたけどね。

だった本当に乗務員に対して会社側が考える良い執務をさせたいのならば、普段からそのように指導しておくのが当たり前であって、株主総会があるから会社側が考えるきちんとした執務をしてくれって言うのは、おかしな話ですからね。

株主総会前夜なんて乗務区の監督職が全員集められて、監督職の配置などを綿密に計画を立て、乗務員に対してどのように指導するのかを、乗務区長などからきつく申し付けられるんですよ。

正直言ってバカですよ。

それって普段の指導がまったく乗務員にできていないと、乗務区長を筆頭に乗務区の監督職全員が認めているようなものですから。

 

乗務員側はというと、また恒例の株主総会対策で上(乗務区長など)が躍起になっているんだなとしか思いませんよ。

乗務区で株主総会対策で乗務員に対して特に指導すべき項目を乗務員に言ったところで、

「はいはい、ごくろうさん」

という返事しか返ってきませんし、私が乗務員の時にもこのように返していましたからね。

 

そして株主総会が終わったという連絡が乗務区に入ると、乗務区にある急告板(小型の黒板で乗務員に特に知らせる必要がある事項を書いて掲出するもの)に

株主総会対策にご協力いただきありがとうございました

と書かれて掲出するのです。

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