先日(7月29日)早朝に、ホームの無い側のドアを開けるというミスがあった。
報道によるとJR九州の小倉駅で、車内温度を保つために各車両の一部のドアのみを開けて停車していて、おそらく発車時間が近付く前にいったんすべてのドアを開けようとしたところ、逆側のホームの無い側のドアを開けたようです。
早朝であまり人が乗っていなかったことと、気付いてすぐに閉めたので開扉時間は1秒ほどだったことから、線路内へ落下する人などもおらず、けが人もいなかった。
当該車掌は本務後1か月ほどの新人で、操作を誤ってドアを開けたのではなく、ドア操作の仕組みを勘違いしていたと書かれているので、簡単に言えば車掌スイッチというものを根本的に理解していなかったということでしょうか。
このブログにも書きましたが、JR九州ではお客さんが乗降中なのにドアを閉めた車掌見習もいましたし、いったいどうなっているのやら……
JR九州の一部締切スイッチがどのような形状なのかは知りませんし、私がいた会社ではボタン式が採用されていました。
車掌スイッチですべてのドアを開け、その後に一部締切スイッチの「閉」ボタンを長押しすることで所定のドアのみ閉める。
この場合は車掌スイッチは「開」状態になっています。
そして一部だけ閉まっているドアを開扉する場合は、「開」ボタンを長押しすれば開けることができます。
※片側3カ所のドアのうち真ん中のドア以外を閉めるなど
使い方としてはこんな感じになります。
一部締切スイッチを操作している場合は、その旨が分かるようにランプ等が知らせるようになっています。
ちなみに一部締切スイッチの「閉」ボタンを長押しして一部のドアを閉扉している場合、車掌スイッチを「開」から「閉」に操作すれば残りの開いているドアが閉まります。
車掌スイッチや一部締切スイッチのボタンを操作する時には、必ずホームのある側に移動し、ホームの有無を確認してから操作するのが鉄則。
本当は一部締切スイッチの操作を禁止されていた私が所属していた乗務区ですが、操作する時は必ず落とし窓から顔を出して、ホームの有無のほか、ドアの状態(開扉状態か閉扉状態か)や車側灯の点灯の有無などを確認してから操作します。
だって怖いですからね。
今回のJR九州の車掌さんは、推測ではありますがおそらく
車掌スイッチを「開」にした後に一部締切スイッチを使って一部のドアを閉扉。
出発時間前にいったんすべてのドアを開けようと思ったが、車掌スイッチは「開」の状態。
そこでホームの無い側の車掌スイッチを「開」にすれば、ホーム側の一部だけドアが閉まっている状態を解消できると思って操作した。
こういうことだろうと思います。
車掌スイッチや一部締切スイッチの形状によっては違うかもしれませんので、あくまで推測の域を脱しませんが。
結局基本的なことである、
車掌スイッチを設けている側のドアが開閉する
ということが理解できていなかったのかな。
ひょっとすると人員削減のあおりを受けて指導する立場の車掌の乗務歴が短くなっているとか、会社の体制の問題なのかもなんて思ったりもしたり……