駅勤務や車掌、運転士、助役など長年現場で働いていた私は、ほとんどお盆期間中に休んだことがありません。
お盆休みの期間中にうまく公休が重なるなどすれば休んでいましたが、ほぼ仕事をしていました。
現場で働いている人間から毎年聞かれるのが、
本社は世間の会社と同じように夏休みがあるのに、現場には一切ないのは不公平。
せめて本社が休む日数と同じだけの休暇をくれ!
よくアナウンサーなどが、遅い夏休みをもらっていますなんて言っているように、一斉に夏休みが取得できない職種では、一週間などまとまった休みを任意の時期に取れるようにしています。
銀行員もそんな感じじゃなかったかな。
鉄道業の現業職ではそういった休暇もなく、本当に夏休みや盆休みに相当する休暇がありません。
これも毎年聞かされていましたが、本社は夏休みや年末年始休暇のために、毎日15分から30分程度勤務時間が長く取られている。
これは労組関係者からよく聞く話でしたが、実際に本社勤務となった人の話を聞くと勤務時間を延ばしたりはしていない。
お盆期間中に出勤のために駅へ行くと、普段の休日以上に人がいない。
電車に乗っても本当にガラガラで、いつもは利きが非常に悪い冷房がよく利いていたりもする。
ガラガラの車内なので私は当然座って通勤するわけですが、助役の中には一人ぽつんと立って通勤する人も。
いくら空いていても座るなと頻繁に言われる助役などの監督職は、私服で通勤しているのに座ろうとはしない。
職場である乗務区へ入ると若干いつもよりは乗務員の数が少ない。
年休を使って休んでいる人もいるので、穴の空いた仕業に助役などが乗務していることもあるためかな。
そして乗務するとお客さんが少ないことをさらに実感します。
電車って応荷重装置があって、荷重(お客さんの人数、重さ)によってブレーキシリンダーに流入する圧縮空気の量や、限流値(抵抗制御において抵抗を一つ抜く下限値)を変更して対処するわけですが、実際には応荷重装置が的確に働いているとは感じないことが多く、お客さんがたくさん乗っておれば加速も悪いしブレーキの利きも悪くなる。
逆にガラガラの状態で応荷重装置のお世話にほぼなっていない状態では、加速は良いしブレーキも本当によく利く。
お盆休みの間の電車は、古い車両でも本当によく走ってくれます。
車掌をしていても、いつものマイクの音量に設定して放送すると、車内で自分の声がすごく響き渡ります。
そしてたまにあまりにもガラガラだから各駅停車で散歩がてら車内巡回を行うと、見渡す限りお客さんがいない。
3両ほど先に座っているような影があるけどって感じですかね。
そういう時に車内へ放送する時には、
「あなたのためだけに放送しています」
っていう気分になっていました(笑)
そして車掌運転士共通で、まず電車が遅れる心配はない。
逆に早着・早発しないように気を遣う状態でした。
私が在籍していた会社では、車掌用のスタフはあったものの長らく主要駅の出発時刻しか書かれておらず、それこそ20秒くらい停車していたら早発にはならないかなという感じで、ドア操作や出発合図を送っていましたからね。
※主要駅以外は標準時が採用されていて、駅に書かれている時刻より早く出発したからと言って咎められたりはしませんでした。→車掌スタフと標準時刻表
なのでお盆の時期に仕事をすること自体は楽でした。
ただクソ暑いし、プールにでも行って遊びたいなという気持ちが勝っていたから、やっぱりイヤでしたね。