運転指令が管轄するエリア
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運転指令が管轄するエリア

助役や運転指令

私がいた会社の運転指令は…

私鉄では一般的に「運転指令」と呼んでいますが、社局によっては「運輸指令」「列車指令」「運転司令」「輸送指令」などと呼び方はまちまちです。

私がいた会社では「運転指令」と呼んでいましたが、ただ現場での会話の中では「センター」と呼ぶことが一般的でした。

ちなみに私がいた会社では「旅客指令」というものはなく、運転指令がその作業を担っていました。

ただ振替輸送に関しては運転指令が本社の運輸部へ依頼し、要請や受託を決定。

wikiにあるような乗客の忘れ物の捜索は駅が担っていたので、指令は一切タッチしません。

車掌の中には忘れ物の捜索を指令に無線でお願いする人もいましたが、

「駅で依頼するように案内してください」

と言って終わりでした。

※引き受けた指令員がいてあとで大問題に…

列車の接続に関しては、運転指令が信号を抑えるなどして接続を取っていました。

あと車両や乗務員の運用を担当する「運用指令」なんてものはなく、車両の運用に関しては車両課、乗務員の運用に関しては乗務区が担当しています。

乗務員の仕業・行路に関しても乗務区内で決定され、臨時列車を含めて乗務員の運用はすべて現場で決定されていました。

通常の車両運用に関してはすべてが車両課の計画によるのですが、事故等でダイヤが乱れた場合の順序変更や、突発的に出庫が必要な場合はその日の予備車両を運転指令の判断で使用します。

車両の運用が事故等で変更された場合、車両課がダイヤ乱れが落ち着いたころに走行距離等を勘案して、順次差し替えを運転指令に要請することが多かったのですが、最近は当日はそのまま運用して(編成両数や運用上の制限がなければ)、翌日の始発からの運用で調整するケースが多いように思います。

 

 

入換無線がないので運転指令が管轄外の車庫内も

車庫内の入換信号や入換標識は信号所の係員(助役や信号士)がてこを扱って現示または表示させていましたが、乗務員と信号所間で直接やり取りするには、車庫構内の所々に設置されているトークバックを使用するしかなく、移動中の車両を止めて車両から降りるしかありません。

なので多くの乗務員は車庫構内での事象についても、運転指令と無線でやり取りすることになります。

ちなみに運転指令側で把握できる入換信号機は車庫の出入り口付近にあるものだけで、車庫内については把握できません。

運転指令に車庫内でのことを連絡しても、

「信号所に連絡を取ります」

しばらく間があってから(信号所に問い合わせてから)

「あなたの車両は……」

みたいな指示が来る、という感じでした。

本当は車庫は運転指令の管轄外なのですが、出庫順序の変更などの通告も運転指令が行うのが普通になり、乗務員もそれが当たり前になっていた気がします。

 

運転指令が管轄するエリア

運転指令所には大きなパネルがあって、列車の在線状況が一目で分かります。

ただこのパネル、私がいた会社の運転指令が指揮できる範囲外の列車も表示されています。

相互乗入の関係で、他社の指令が管轄するエリアの在線状況も途中の駅まで表示されていました。

すると運転指令も勘違いしてしまって、

「○○駅停車中の○○列車、出発時間を過ぎていますが発車できませんか?」

管轄外のエリアに停車している自社車両に対して無線を飛ばします。

その手前の駅の場内信号機までが管轄エリアで、必死で呼び掛けるその駅に停車中の列車には無線は届きません。

地上の路線ならば混信しながら列車側も受信するでしょうが、地下駅なので管轄エリアから少し外れると受信しないんですよね。

で、この呼び掛けられていた列車を担当していたのが私で、帰区してから助役に言われたんです。

「お前、無線の呼びかけになぜ答えなかったんだ?」

よくよく聞くと、呼び掛けられたのは指令の管轄外の駅だったので、

「ちょうどいいわ、その呼び掛けた指令員を今すぐにここへ呼べ!」

私がなぜ怒っているのかも分からないおバ○な助役だったので、

「うちの指令の管轄はどこまでかは当然分かっているな!」

と言ったところで青ざめていましたが。

 

翌日になって当該の指令員が謝りに来ましたが、

「もうパネルの管轄外は見ないようにするよ……」

管轄外だけどパネルに在線状況が表示され、遅延情報も表示されるから間違ったと言わんばかりで、

「勝手にすれば? 管轄する駅にいきなり遅延した列車が現れて慌てふためかないようにね」

私より年齢が5つほど上の人でしたが、年上年下関係なくお○カにはきちんと伝えないとね(笑)

 

ただ笑い事ではなく、これ地下駅だったので私の会社の指令の指示は聞こえませんでしたが、地上駅だと無線が入ります。

すると下手すれば指揮系統が二重になる恐れがあるんですよね。

すぐに出発しろ、出発を待ってくれなんて事が、二つの指令からの指示として入る恐れがあるんです。

実際に指揮系統が複数あることで、出発信号はG現示だけど事故の処理のため軌道内に駅係員が入っているので駅は停止を口頭で指示、それに対して指令は信号現示に従って速やかに出発しろ!なんてことも私は経験していますし。

なのでせめて運転指令は、自身が管轄するエリアの完全な把握は必要です。

ちなみに駅と運転指令が異なる指示を出した時は、駅の指示を優先することになっていましたが、今はそういった指揮の優先順位ってどうなっているのやら。

何でもかんでも指令に集中させている気がしないではないけど…

※これらの話は私が現場にいた2014年までの話なので、今は事情が違うかもしれませんのであしからず

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