JR東日本が鉄道部門の人員を4000人削減へ

このJR東日本の鉄道部門を4000人程度人員削減するという一報が入ったのは8月31日。

運転本数の見直しの短期的視点と長期的視点という記事をアップしたのが8月26日ですが、この記事の中で「長期的には今後の収益を見据えた最初の動きということでしょうか。」と書きましたが、今回のJR東日本の4000人の削減案はまさしく長期的視野に立った動きだと思います。

ニュースの中には今回の削減案が利用旅客数の低迷のためと書いている社もあるようですが、確かに全く関係はないとは言いませんが、あくまで窓口の閉鎖と高機能券売機の導入、ワンマン運転のさらなる拡大や自動運転によるドライバレス化の推進。

さらには無線式の列車制御方式への変更や新型車両の積極導入による車両の省メンテナンス化など、駅員・車掌・運転士のほか設備系の係員(車両や電気などの係員)を含んだ大規模な削減と人員の再配置を実施するということでしょう。

人員の再配置先は成長が見込まれる不動産や流通部門と報道されていることから、JR東日本が2018年に提示した「変革2027」に沿ったものと言えます。

JR東日本発足当初の収益比率は「運輸9:非運輸1」でしたが2017年度には「輸送サービス7:生活サービス3」、これを2027年度には「輸送サービス6:生活サービス4」にまで変革させていくとしています。

今回の鉄道部門の4000人もの人員再配置は、元々予定されていたことを実行に移す時が来たというところでしょう。

 

もちろんコロナ禍による急激な輸送人員の減少も影響していないとは言えません。

しかしコロナに襲われなくても利用者の減少傾向は現れていたはずだし、減少スピードが当初の想定より早かったというところでしょう。

 

私が勤務していた会社での話になりますが、まだインバウンド需要なんて言葉も無かった当時の予想では利用者数の明確な右肩下がりのデータが示されており、関西より関東の方がこの傾向は緩やかだったとは思いますが、それでも右肩下がりの予想はできていたはず。

それがインバウンドによる輸送量の増加という思いがけない事態で、当初の右肩下がりの予想が覆って増加に転じました。

ところがコロナ禍によってインバウンド需要が急速にしぼんでいき、さらに通勤や行楽客も減少したことで、減少幅がかなり大きく見えるものとなってしまいました。

結果的には10年以上前に予想されていた右肩下がりのグラフに一致するところまにまで落ちたのだと思います。

インバウンドによって上昇に転じた分、下げ幅がきつく感じただけだと個人的には思います。

 

このJR東日本の4000人削減のニュースへのコメントには、駅員・車掌・運転士が希望もしていない部署へ飛ばされることについていろいろと書かれていますが、多くの私鉄ではこれまでにも同様のことは幾度も行われてきました。

もちろん設備関係の部署の係員も。

会社の規模が大きいだけに4000人というすごい数にはなっていますが、それでも入社人数の抑制と自然減も合わさっての配置換えですから、どうしてもこのくらいにはなるのではないかなと。

希望退職を募るというものでもないし、不動産や流通部門への配置換えですからそれほど悪いものではないと思います。

もちろん鉄道の仕事がしたくて入社した人も多いとは思いますが、他の企業でも当たり前のように全く違う畑への異動なんてありますけどね。

助役が遊園地へ飛ばされて、ピンク色の衣装を着て遊園地内を歩き回っている姿だって見てきましたし、私自身も助役から傍系会社の事務職への異動を経験しています。

案外鉄道の現場を離れるほうが精神的には安定したりもするのですけどね。

 

Yahoo!のコメントに鉄道関係の記事も執筆するフリーライターの方が、かなり情けないコメントを出されているのが気になりました。

私は執筆に関しては素人なのであまり偉そうなことは書けませんが、あまりにも「木を見て森を見ず」というか「鹿を追う者は山を見ず」というかミクロの視点でしか物事を捉えることができていないというか。

もう少し全体像をキチンと見て調べたうえで記事にしたりコメントを出される方が良いと思うのですが。

一貫した経営戦略を持つJR東海と比較するほうが良いのではなんて書かれているけど、本当に針の先だけを見て全体を見ることができていないコメントだなあと思います。

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