豪雨の中での乗務で車掌は全身ずぶ濡れになるし乗降状態は見えないし
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豪雨の中での乗務で車掌は全身ずぶ濡れになるし乗降状態は見えないし

車掌

豪雨のほうが運転しやすい?

ゲリラ豪雨に見舞われることが多くなりました。

昔も夏の午後から夕方にかけては夕立が降り、少しひんやりして過ごしやすくなることはありましたが、ゲリラ豪雨は時間帯は関係ないし雨の降り方や量がまったく違います。

これまでにも雨降りは電車が思うように走ってくれないことや、ブレーキを掛ける時にも滑走しないように慎重に運転することを書いてきました。

ただゲリラ豪雨と呼ばれるほどの降り方になると空転もせずに走ってくれたり、制動時も効きが普通に近かったり滑走しなかったりと、意外とコントロールしやすかったりはしました。

もちろん起動時に一気にフルノッチまで投入したり、一気に80度制動とか7ステップのブレーキで一気に6ステップ投入なんてことはしません。

1ノッチずつ入れて電車のご機嫌をうかがうし、ブレーキも電車のご機嫌をうかがいながら少しずつ入れていきます。

雨の降り始めなどで電車のご機嫌が斜めの時は2ノッチで空転するし、軽くブレーキを当てるだけで滑走するなどしますから。

運転操作の面だけを考えれば、運転士は豪雨のほうが楽かもしれません。

※それ以上に視界が悪いとか、寒水の恐れとか、土砂が流れ込むなど別の悪い要因はたくさんありますが

これが車掌になるとかなり違ってきて…

 

 

車掌からは乗降状態が見えない

豪雨になると雨煙で先が見えなくなります。

いつもは見えるビルが半分くらいしか見えない、なんてこともあります。

電車の場合ですが、ホームの上屋と電車との隙間に乱反射したように雨が吹き込むので、豪雨と言えない程度の雨でも先が見通せないことがよく起こります。

ゲリラ豪雨と呼ばれるほどのきつい雨になると、車掌は乗務員室から顔を出して前方を見てもマシな時で2両程度、ひどい時は1両くらいしか乗降状態を直視できなくなります。

車側灯だって2両目がぼんやりと見える程度になってそれより前の方は雨煙の中に消えて何も見えず、ただ白い壁を見ている状態になります。

見えないだろうなと思って前からもホームの様子を見るのですが、当然ですが水煙によって1~2両しか見えません。

私が在籍していた会社では運転士を車掌運用に回すことが多々あり、運転士同士で乗組むと行路の半分は運転士で残りは車掌なんてこともよくしましたが、このケースで車掌をしている時に豪雨に当たることが多かったような気がします。

とにかく車内外ともにマイクでドアを閉めることをくどいくらいに放送し、ドアを閉めてからホームに降り立ち、雨のかからない場所まで歩いて、ドアに誰も挟まれていないことを確認してから運転士へ合図を送る。

そして水煙というか水の壁に向かって乗務員室から顔を出し、全身ずぶ濡れになって出発監視(側方監視)をする。

※私が在籍していた会社では、ドアを閉めるために車掌スイッチを操作する際や運転士へ合図を送る時には、絶対にホームに足を掛けてはいけないという決まりがあって、必ず乗務員室の扉を閉めて落とし窓から顔を出した状態で操作をすることになっていました。

 

普段は嫌いな車掌用モニターですが

私が在籍していた会社では、曲線ホームで車掌から乗降状態を直視できない駅では監視するカメラが設置されて、その様子を駅にいる係員がモニターで安全を確認してから車掌に合図を送り、その合図を確認した車掌が閉扉するという運用を行っていました。

その後、駅にいる係員が合図を送るという運用を徐々に縮小し、車掌用のモニターを置いて車掌がモニターを確認して閉扉するというスタイルに変わっていきました。

カメラがカバーしている範囲は曲線ホームで車掌が直視で確認できない場所に限定されていて、車掌用のモニターが設置されるようになってもそれは変わらず、直線部は直視で見て曲線部はモニターを見るというスタイルに。

モニターは車掌の真横のやや上部に設置して、直線部は直視で乗降状態を確認となると、目の移動距離がかなりなものになるんですよ。

両方を同時に見ることもできないから、モニターばかりに気を取られて直線部の監視が疎かに…

またホーム全体をカメラでカバーする駅の場合には台数が多くなり、車掌用モニターが4台とか並んで設置されると一部のモニターばかりに気を取られて、ほかのモニターに乗降中だということがはっきり映し出されているのに見落としたりと、とにかく車掌用のモニターって本当に嫌いでした。

幸い乗降中の方に閉まるドアが当たると言った〝扉事故〟は起こしていませんが。

これが豪雨の時となると評価は一変。

1両半ほど先までしか水煙で見えない豪雨でも、モニターだときれいに映し出すんですよね。

特にホーム全体がカメラでカバーされている駅なんて、豪雨の時はモニターだと安心して閉扉できますから。

 

助役になってからのことですが、ゲリラ豪雨に襲われている駅のカメラやモニターがダウンしてしまって、手旗による合図を車掌に送ることに。

車掌から見える場所に立たないと手旗合図の意味をなさないし、もちろん編成全体の安全を確認しなきゃいけないしで、雨合羽を着て豪雨の中ホームをうろうろしたこともあります。

助役の場合は雨合羽を着て業務に当たりますが、車掌は制帽用の雨カバー(通称 シャンプーハット、おむつカバー)しかなく、制服は上から下まで雨でびっしょり。

まだ車掌だったころは濡れるのが嫌で、早く運転士になって雨でもぬれずに座って仕事がしたいと思っていましたよ。

運転士になると運転士にも乗降状態を見るようにとの指導が入って、結局雨に濡れながら運転していたのですが…

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