回生ブレーキが効かない

運転士になって3~4年経った頃でしょうか。最終電車を担当していたときです。
車両はVVVF制御の車両でブレーキは回生ブレーキという、今の主流の電車でした。
線区の途中駅までの普通電車で、到着後はそのまま留置となる仕業でした。

 

始発や最終の回生ブレーキは怖い

ご存知の方も多いと思いますが、回生ブレーキとはブレーキをかけているときにモーターで発電し、その電気を架線へ返すブレーキです。
架線へ返した電気を他の車両が使うことで成り立っています。電気を使う車両がほかにいなければ、発電した電気を架線へ返すことができません。こういった場合には、同じブレーキ力の空気ブレーキが作用する設計になっています。
このため始発や最終電車を担当するときは要注意で、ほかに走行の電車が少なすぎて回生ブレーキが思うように効かないのです。

やはり最終電車は回生ブレーキが効きにくい

ターミナル駅を出発し1駅目から回生ブレーキの効きが悪く、さらに空気ブレーキも弱々しくて、通常の制動距離からブレーキをかけると全制動まで入れないと止まってくれない状態でした。
何駅目かは忘れましたがまったくVVVFの音がせず、さらに空気ブレーキもスカスカで、非常ブレーキを入れて何とか停目に止まるということもありました。
こうなるとかなりビビってしまって、とにかく安全に止まれるようにと慎重な運転を心がけましたよ。

 

一瞬の喜びが地獄へ

悪戦苦闘しながらも何とか終点の駅の場内信号機が見えてきました。
心持ち普段より距離を取って場内信号機の現示に合わせに行きましたが、VVVFの独特の音を響かせて普通に回生ブレーキが効いてくれました。

「良かった、最後になって普通にブレーキが効いてくれた」
そういう思いから、最後の停目へは普段通りの制動距離でブレーキをかけました。
もうねぇ、かけた瞬間に分かりましたよ。

「ブレーキ全然効いてない・・・」
非常ブレーキを投入して停目を5mほど過ぎて停車。
車掌もすぐにドアを開けましたし、お客さんを降ろしてすぐに留置作業に取り掛かります。
パンタグラフを降ろし、蓄電池のスイッチを切り、信号所へ持っていくレバーなどを抜きます。
最後にホーム下に降りてハンスコ(手歯止)を施行して終了です。

 

ハンスコできなかったけど

が、ホームに備え付けてあるはずハンスコが見当たりません。
5mほど行き過ぎて停車したので、ハンスコの設置場所はちょうど台車の真横になるのです。
今の時代ならば絶対に
「もう一度パンタグラフを上げて停止位置を修正しろ」
って命令されるのですが、この時は
「もういいよ、明日始発ですぐ使うしね」

回生ブレーキの中でもVVVF、その中でも初期のもの(GTOだったかな?)は頻繁にブレーキが効かなくなる事象が起こったのですよ。
今はどうなのでしょうか。

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