車掌は閉まる扉にご用心
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車掌は閉まる扉にご用心

開くドアにご注意

電車の扉や戸袋などに「開くドアにご注意」とか「指にご注意」などのステッカーが良く貼られています。

関西では昔は「指づめ注意」と書いてあることが多く、わざわざ指に包帯を巻いたイラストまで添えられていたりもしました。

ドアが開く際に指をはじめ腕などが、戸袋内へ引き込まれないように注意を促すものですね。

子供は指どころか手がすっぽり引き込まれてしまい、慌てて抜こうとするときにケガをしやすいんです。

大人も意外と多くて、ドアにもたれている人がドアが開いたことに気付かず、上腕部分を引き込まれたりします。

上腕の場合は戸袋内にすべてが引き込まれることはありませんが、戸袋とドアの間でストッパーのようになり、ドアが完全に開ききりません。

こうなると上腕には内出血によるアザが残ってしまうことに。

ホントに開くドアには注意してください。

 

分厚い側開き戸で指を・・・

しかし車掌の場合は閉まる扉にご注意くださいと言うほうが正解なんです。

運転士と違って車掌は乗務員室の側開き戸や客室との仕切り扉の開閉などを頻繁に行います。

会社によっては仕切り扉が引き戸になっている場合もありますが、だいたいは開き戸になっています。

側開き戸や仕切り扉を閉めるときに、指を挟むことが多いのです。

一般的に車掌は操業の際に手袋をしています。

この手袋が側開き戸や仕切り扉の取っ手に引っ掛かってしまい、そのまま扉を閉めることで指を挟んでしまうのです。

電車の側開き戸ってかなりの厚みがあることをご存知の方も多いと思いますが、厚みとともにほぼすべてが金属でできているので、こいつで指を挟むと本当に大変なことになるのです。

 

切断事故も

また車内巡回から乗務員室へ戻ってきたときに、仕切り扉を閉めようとしたところカーブだったりポイント通過中で車両が揺れることがあります。

この時にも指を挟むことが多いのです。

手を置いていたら車両の動揺によって仕切り扉が勝手に閉まり、かなりの勢いで挟まれるというケースも少なからず発生していました。

私が乗務員をしていた30年ほどの間に、仕切り扉によって指を切断してしまった車掌は私が所属していた乗務区だけで3人もいました。

側開き戸で指を切断した車掌は所属していた乗務区ではいませんでしたが、それでもかなりの大けがを負った車掌はいましたからね。

ホントに車掌は閉まる扉にご用心・・・

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