荒天時は運転士と車掌で感覚が異なる
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荒天時は運転士と車掌で感覚が異なる

今夏は台風の発生数もかなり多くて、日本へ影響を及ぼすものも少なくありません。

台風でなくても大雨による大被害もありましたし、一体どうなってるの?って感じてしまいます。

いま日本に台風20号が接近しています。

JR西日本と近鉄では早々から運転本数を減らすと告知をしており、実際にまだあまり影響が出ていない時間帯から運転本数を減らしています。

他の私鉄は様子見と言ったところですね。

運転本数を減らすにしても担当する列車が運転予定だとすれば、乗務員にとっては同じなんですよ。

だって運転するのだから。

 

 

でも運転士と車掌とでは気持ちと言うか感覚はかなり異なるんです。

運転士は台風接近の場合にもっとも気を使うこと。

それは飛来物による線路支障です。

特に架線へ飛来物が引っ掛かりそのまま通過させてしまうと、パンタグラフの故障につながります。

また高架線上や築堤上などは風を遮るものがなく、瞬間的に突風が吹けば車両の横転につながりもします。

なので本当に注意深く周辺を注視しながら運転していきます。

 

 

これに対して車掌は、乗客に対してどのように放送をすればよいかを考えていることが多いです。

通常行う基本的な放送はマニュアルが存在します。

異常時にも使用できるような簡単な凡例はありますし、会社から文面を渡されてそれを放送もしますが、今の時代にはそれだけでは情報としては少なすぎる面があるので、車掌自らが考えながら放送せざるを得ないのです。

下手な放送をするとそれだけで文句を言われることも多くなりましたから。

 

 

運転士と車掌で最も感覚が異なる部分。

それは

運転士はできるだけ駅に停車していたい。

車掌はできるだけ列車を動かしていたい。

 

 

運転士は飛来物への注意のほか、風や雨に対してとても神経質になります。

でも駅に止まっていれば、とりあえず安心できるのです。

駅間途中で停車する羽目になったら、下手すればすべての処置を運転士が行わなければならなくなりますから。

 

 

それに対して車掌の場合、列車が徐行運転でも良いから動いておれば旅客からクレームを受けることが激減します。

ところが駅に停車したままだと

「いつになったら動くのだ!」

「いつまで止めている気だ!」

「早く動かせ!」

この手のクレームは基本的に車掌が受けますからね。

運転士にも食って掛かろうとする旅客もいますが、列車無線でやり取りしている感じを見せておれば意外に助かるのですよ。

 

荒天の場合には徐行運転のほか接続の関係などさまざまな理由で列車は遅れます。

また列車を担当しながら運転士も車掌も神経をいつも以上に使いますし、交代駅へたどり着いたときには疲れがどっと出てくるんですよ。

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