2019年4月8日 列車無線に不具合が生じて小田急全線で約1時間にわたり運転を見合わせ。
2019年4月13日 無線設備の不具合のため阪急神戸三宮~新開地間で約1時間にわたって運転見合わせ。
列車無線の不具合による運休が短期間の間に2件も発生したので、今回は列車無線について少し書いてみます。
ご存知のように走行中の列車(運転士や車掌)と連絡を取るためには、運転指令所内の無線設備を使って列車無線で指令員が行います。
ちなみに列車無線を扱う運転士・車掌・指令員ですが無線の資格などは持っていません。
指令長が無線に関する資格を取得したという話も聞いたことがありませんし、主任無線従事者などの資格はだれが持っているんだろう??
※個人的に無線の資格を持っている人はいますが、業務上では特に関係がないという感じです。
運転指令側から乗務員に対して指示することもありますし、乗務員側から運転指令に対して連絡等を行うことももちろんあります。
今は昔より速報性が重視される時代ですので、昔とは列車無線の位置づけもかなり違ってきていますね。
いつものように列車を運転していたのですが、いつもならばもっと頻繁に列車無線のやり取りが行われる時間なのに、不思議と無線から何も聞こえてきません。
ちょっと気味悪いなぁと思いながら運転していたのですが、ひょっとしたら担当している車両の無線が壊れたのかな?と思って通話テストを行いました。
しかし何度運転指令を呼び出しても応答がありません。
「無線が故障していることをどうやって伝えるんだ?」
仕方なくそのまま運転を継続し、乗務区が設置されている駅に到着した際に構内電話で無線の故障を伝えました。
「そのまま運転して。何かあったら主な駅のホームに助役を配置しているから伝えてくれ」
たしかにあちこちの駅で係員が立っていたけど、まさか無線代わりなの?
あとで知ったのですが、夜間に無線設備の機器を更新したのですが不具合が生じていて、早朝からまともに列車無線が使えない状態だったというのです。
そんな状態のまま朝のラッシュ時間も運転を継続させていた。
さすがにこの時は所属している乗務区の上のほうの人に直接文句を言いましたよ。
安全管理や危機意識はないのかって。
私以上に詰め寄っていた後輩もいましたけどね。
その後輩に乗務区の上のほうの人は
「無線の不具合くらいでは今後も列車を止めるつもりはない!」
私の元勤務先がバレるので会社名やどこの路線なのかは書きませんが、こんなことが実際にあったんですよ。
小田急は危険だと認識してラッシュの最中にも関わらず運行を取りやめた。
阪急は始発から不調を認識していたけど、ラッシュが一段落してから運行を取りやめた。
利用者からすれば朝ラッシュに運行を取りやめた小田急より、朝ラッシュを避けた阪急のほうが良いと映るのかもしれません。
でも会社が持つ安全管理や危機意識の違いからこういった違いが出たのだと私は思います。
何かあってからでは遅いのですから。