JR九州(なんか最近JR九州の話題が多いような……)から次のような発表があり、一部のマスコミで報道されました。
10月6日 豊肥線の大分17:58発中判田18:15着の普通列車を担当した運転士が、中判田駅到着後折り返し18:40発の乗務員室内で待機しなければいけないところを、駅前の駐車場付近で5分間ほど喫煙のために乗務員室から離れた。
おそらく喫煙している運転士を目撃した人がSNSに投稿し、その投稿をJR九州の社員が見つけて発覚した。
JR九州は「お客様にご不安を与えたことをおわびいたします」と謝罪したという。
JR運転士が折り返し待ちの際、車外で喫煙…SNS投稿を社員が見つけて発覚
乗務員が折り返し運転を担当するケースは頻繁にあります。
担当する列車の乗務位置に出発時間の相当時分前に赴き、運転士は機器の点検や制動試験のほか備品類の確認などを行うとされていますし、車掌も同様に出発時間の相当時分前に赴き、機器の点検や備品類の確認のほか担当放送(出発時刻や停車駅などの案内放送)を行うものとされています。
たしかに私がいた会社でも運転士生活の晩年は、終点に到着し折り返しの列車もそのまま担当する場合は速やかに乗務位置を替わって、乗務員室内で待機しておくようにと言われるようになっていました。
JR九州ではその点を重視し、乗務員室内に運転士がいなかったことについてお詫びをしたということでしょう。
私が担当していた路線は支線も含めてそれほど運転本数が少ない路線ではありませんでしたが、それでも早朝や深夜時間帯になると折り返し時間が20分程度ある場合も多かった。
原則は乗務員室内での待機だったかもしれませんが、多くの乗務員は乗務員詰所や駅事務室などに入って一服していました。
私は今ではタバコを一切吸いませんが、昔は乗務員室から離れて一服することが多かったです。
2時間近く緊張状態を維持したままでは集中力も途切れるし、5分とか10分の息抜きによって再び集中力が高まる方が安全運転という面では価値があると思っています。
昔は会社側もそういう考えだったので、本当は20分間乗務員室で待機しなきゃいけないけど、トイレに行ったり一服することで安全運転につながるのならばそれでよかった。
発車間際に乗務員室へ慌てて走りこんで、点検も制動試験もしないまま出発させれば大問題だけど、発車時刻の相当時分前に乗務員室へ行けばそれで問題はなかったのです。
もちろん乗務員室を鎖錠するなどして誰もが乗務員室に入れて、機器が触られないようにしておくのが前提ですけど。
時代は変わって規則重視になってしまい乗務員室から離れることは許されない、そんな時代になったのかな。
そういえば昔西鉄の大牟田駅で、到着した特急の乗務員は旅客降車後ドアを締め切って詰所へ行きその間車内の清掃が清掃担当者によって行われていたのですが、清掃が終わるとほうきとちり取りを持った清掃担当の高齢の女性が、乗務員室へ入って何もためらうことなく車掌スイッチを操作してドアを開けたことは、さすがに目が点になりましたけどね。
喫煙に関してですが、今の時代に制服姿で駅の外でタバコを吸う方がまずいと思うのですが、そこは今回は問題になっていないのかな?
昔は新幹線の運転台に灰皿が設置してあって(客室の座席にあったものと同じタイプ)、運転士はタバコを吸いながら運転していたのですが、さすがに今の新幹線の運転台には灰皿なんてないですよね。
国鉄時代の電車や気動車の運転台にも灰皿があったし。
そういえば電気機関車の運転台にも灰皿があったのですが、今は無いのかな?
JR貨物の機関士は今でも運転中の喫煙は許可されているのかな?
私が勤務していた会社の電車は昔から車内は禁煙ですから、当然運転台に灰皿はありませんでした。
それでも運転中に隠してタバコを吸う運転士は多かったけど……
昔は駅構内は禁煙ではなかったから、乗務員によっては制服姿でホーム上で喫煙していることもありましたが、旅客からの見た目が悪すぎるから詰所に入って喫煙してくれって、乗務区長からのお達しが出たりもしましたが。
規則を守らなきゃいけないのは当然だとは思う。
でも少しの息抜きで安全が保たれるのならば、それはそれで有益だと思うのですが。
それよりも同じ豊肥線の中判田駅付近で起きた
倒木で線路を塞いでいても非常制動も入れず、衝突してもなお運行を続ける大失態
の方がはるかに大きな問題だと思うのですが、JR九州ってどうなっているんだろう……