運転状況記録装置-1

運転状況記録装置を鉄道車両に装備するように省令(鉄道に関する技術上の基準を定める省令)が改正されたのが平成18年(2006年)で、既存車両への設置には時間や費用もかかるということから平成28年(2016年)6月30日までは猶予期間が設けられました。

※10年の猶予期間は100㎞/hを超える線区やその線区を走行する車両と1時間に10本以上を運転する線区、運転速度が100km/hを超える車両は5年以内に整備が義務付けられていました。言い換えればローカル線は義務付けではないのかな。。。

運転状況記録装置とは飛行機のフライトレコーダーと同じ位置づけになります。
記録しなければならないデータも決まっていて
・時間
・列車速度
・列車位置
・制御設備の操作状況
・常用ブレーキ装置の操作状況
・制御設備の操作装置の状況
・常用ブレーキ装置の操作装置の状況
・ATS または ATC の動作
・運転指令との通話時の音声とその時刻

どの程度の速度をどの場所で出していたか、常用ブレーキ(通常用いるブレーキ)をどのように操作したのか、ATSなどのスイッチの入り切りやリセットの状況、ATSなどを動作させてしまったのか、運転士と運転指令とのやりとりなどを記録しなければならないとなっています。
これらはすべて福知山線脱線事故の際に分からなかった事柄で、これらを記録するようにと定めたわけですね。

 

省令で決まったことですから、鉄道会社はこの省令に沿って設置しなければなりません。
でも現場サイドではいろいろともめたのですよ。
特に多かったのが、運転状況記録装置のデータを使って指導監督するんじゃないかということ。
私なんかは、速度オーバーするとかマズいことをしなければ指導監督なんてされないんじゃない?って感じでのんきに構えていたのですけどね。
効率的な運転とか(無駄なノッチを入れないとか)を指導する上で、実際のデータを示しながら運転技術が向上できればいいんじゃないのかなって思っていたけど、私が勤務していた会社では事故等で必要な場合以外はこの装置に記録されたデータを取り出さない、なんて決まりを会社と組合側で結んでいましたよ。
※この手の取り決めを結ばせようとするのはいわゆる“アカ”な人たちですが・・・

 

 

運転技術の向上に使われたことはなく、しかし事故ではない乗客のクレーム?のときには積極的にデータを取り出してくる。
たとえば〇〇と××の間でいつもより揺れたが速度をオーバーしていたのではないかとか。
(少なくとも私の在職中は)
クレームが来た時点ですぐ乗務から外してしまい、データを確認して問題がないと判明されるまでは日勤教育を受けたりとか。
今思えば私以外の多くの乗務員が危惧していたことが起こっているのかなと。

運転状況記録装置は必要だと思うし有用に用いてくれればいいけど、どうにも違う方向に行っているような気が在職中にはしましたが、今はどうなっているのやら。。。

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