電車への投石

テレビニュースでJR武蔵野線の車両に投石があり、窓ガラスが割れたという報道がありましたので、それに関連することを書いていきます。

私が担当していた路線で、夜間になると列車のボディに投石を繰り返す人がいました。
先輩に話を聞くと、その人は昔は駅へよく苦情を言いに来ていたそうです。

「電車がうるさいから静かにしろ」
とか
「電車が通るたびに家が揺れるから何とかしろ」

その人の家は線路に隣接するように建っており、そりゃうるさいだろうとは思います。
でも駅に苦情を言ったところで駅員には何の権限もなく、ただひたすら頭を下げるくらいしかできなかったでしょうね。

 

その人は家の2階から石を投げていました。
多分明るいうちにバラストを持ち帰って準備していたのでしょう。

その人が石を投げる際は季節を問わず不自然に窓が開いていて、室内の照明を消していました。
そうすることで投げている瞬間を見られないようにしていたのだと思います。

でもその人は通過する電車にやみくもに石を投げていたのではなく、決まった形式が通過した時だけ石を投げてくるのです。
その形式の電車が本当に嫌いだったのでしょうね。

電車の側面にぶつけはするのですが窓ガラスを割ることはなく、乗客にけがを負わしたり列車のダイヤを乱すようなことはありません。

なので乗務員からは
「また石が投げられました」
といった無線は一応入れていたのですが、警察に通報するといったこともありませんでした。

 

 

ある夜、その路線を担当していた時に車両課の人が添乗に来ました。
その時担当していた車両は、いつも投石される形式です。
実は車両課の方々が相当怒っていて、その様子を確認するために添乗してきたのです。
だって車両は車両課のもので、運転士はその車両を借りて運転しているに過ぎないのですから。

投石する人の家の前を、普段よりスピードを落として通過しようとしました。
いつもは2~3両目に石を投げてくるのですが、その時は私が意図的に遅く運転していたので先頭車の側面に石がヒット。
「ドーン!」
という大きな音が乗務員室にまで響いてきました。

終点に着くと車両課の係員は石の痕跡を写真に撮り、大きさをメジャーで測って記録します。
その記録をもとに警察へ相談し、翌日は警察官とともに車両課員は投石する人の家を隠れて観察。
石を投げて列車にぶつけたところを現行犯で逮捕されたのでした。

列車のボディに当たって石が跳ね返り、周辺にも危害が及ぶ可能性もありますからね。
本当に危ないのですよ、投石は。

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