今でも多いのかもしれませんが・・・
昔は親が勤めているとか、親戚が勤めているといった縁故で入社する人が多かった。
銀行などでも縁故入社が多かったと聞きましたし、意外とどこの会社でも多かったのかな。
会社にすれば身元がしっかりしているし、安心して入社させられるというメリットがあったのでしょうね。
私が運転士をしていたころ、私の息子たちが高校3年生の夏休み頃になると
「そういえば、こうすけさんのお子さんって来年高校を卒業ですよね?うちの会社に就職されますか?」
って聞かれましたよ。
私の息子たちは鉄道に全く興味がなく、進学して全然違う道へと進みました。
毎年夏ごろになると、来春高校を卒業する子供を持つ車掌や運転士全員に、この会社へ就職するつもりはあるのかを聞いて回っていました。
実際に多いのですよ、親類がそろっている人たちって。
兄弟で運転士をしていて、父は助役でいとこは車両課にいるとか。
祖父も元々運転士をしていたとかね。
「あそこの家族はみんなこの会社で甘い汁を吸って生き延びてきたんだ」
なんて悪口を言う人もいましたけどね。
親子や兄弟ならば苗字が同じなので分かりやすいのですが、困るのが名字が違うケース。
兄弟で乗務員をしていて、さらに母親の姉つまりはおばさんに当たる人の子供(いとこ)が会社にいたりするわけですよ。
すると名字が違うので親戚だとは気づかない。
つい言っちゃうんですよ
「あの○○って車掌はえらい態度がでかいなぁ」
すると
「すいません、いとこなんですよ、それとなく注意しておきます」
私はこの手の失敗が本当に多かったのです。
会社に入ってから縁故となる人も多かったです。
Aという人が結婚し、その結婚相手の姉妹とBという人が結婚する。
血縁関係はないけどAとBはそれぞれが結婚したことで親戚となったわけです。
私が入社したころって、改札や定期券券売り場などに超ベテランの女性社員はいましたが、それ以外は男性社員ばかり。
新入社員だって全員が男性でしたからね。
そうなると職場結婚というものは物理的に無理です。
引っ掛けたのか、コンパで知り合ったのかは知りませんが、社外で女性を見つけて交際から結婚に進むわけですが、その女性の姉妹が今お相手を探している・・・そういう時に別の社員を紹介して交際・結婚へと進み、結果的に同じ乗務区内に新たな親類が誕生するというわけです。
今は女性がふつうに入社しますので、職場恋愛や職場結婚も多少はあるようです。
そして縁故入社も相変わらず多いようです。