車掌として乗務しているといろいろな質問を受けます。
停車駅に関することや乗換に関することなど、そのほとんどは担当している列車のことや接続に関することです。
簡単なことは車掌が持つスタフに書かれていますし、それで分からなければダイヤをひろげて確認すれば答えられます。
ところがたまに担当している列車とは関係がない時刻などを聞かれます。
「〇〇から××行のバスは何分があるねん?」
「おい!○○駅の次の国鉄の快速は何分に出るんや?」
「この電車を〇〇で降りて歩いて行ったら、△△線(他社)の□□駅からは何分の電車があるねん?」
今ならばお客さん自身でスマホで簡単に調べられる内容ばかりですが、私が車掌をしていた昭和50年代はガラケーも世になかった時代です。
分からないから車掌にたずねてくるというのは理解できますが、そんなにたくさんの資料を持って乗務はしていませんから答えようがない。
「すいません、ここでは分かりかねます」
といえばたいていの人は納得するのですが、たまに文句を言ってくる人がいるんですよ。
「なんで分からへんねん!ほんなら俺はどこで聞けばええんや!」
「お前制服着といてなんで分からんねん!職務怠慢やないか!」
車掌を約4年間していて、このような言われ方をしたのはおそらく10回はくだらないと思います。
なかには
「客が聞きそうなことくらい調べとけ!」
なんて言い張る人もいましたが、当然よく聞かれることは調べていますし頭にも入っています。
でもそんな細かいことまで調べておくのはさすがに無理。
今ならば会社によっては乗務員に業務用のスマホなどを持たせていることもあり、ググれば答えられるとは思いますが。
あとは紙に書いた住所を見せられて
「どこの駅で降りればいいですか?」
勤務している会社の駅だとしても住所なんて知らないし、沿線すべての地図が頭に入っているわけでもない。
でも乗務中に住所を見せられてどこで降りればよいのかという質問は、年に1回くらいはありましたよ。
そもそもどこの駅という前に、その住所の最寄り駅が必ず私が勤務している会社の路線にあるとは限りません。
関西はJRと私鉄が並行して走っている区間が多く、そもそも路線の選択で間違っていることも考えられるのだけど。
今ならばSuicaやICOCAなどであまり深く考えずに入場してくることも考えられるけど、昔は駅で切符を購入して入場しているはず。
そもそもどこの駅までの切符を買っているのか・・・結構不思議に思っていたんですよね。
鉄道が並行して走っているために
「大阪までやったらどこの会社の電車が早い?」
「この電車で行くより、〇〇へ出て新快速に乗るほうが大阪やったら早いんか?」
こんな時は100%他社へ乗るように言っていました。
乗換えにかかる時間が必要だとしても。
下手に私が担当する列車に乗られたらあとで
「○○線やったら○分くらいで着くんとちゃうか?この電車のほうが遅いやないか!」
なんて怒鳴られたくないですからね。