25日13時50分ごろ、東京メトロ副都心線の車内で男性が大声を出したことに恐怖を感じたのでしょう、女性旅客が車内非常通報装置(非常ボタン)を押下したことで列車が緊急停車。
その男性は、自分が座っていた前の座席で足を投げ出して座る旅客に対して腹が立ち、席を移動する際に大声を出したと言います。
※かなりの怒号を上げていたという証言もあるようです
その様子を怖く感じて車内非常通報装置を使ったということでしょうか。
そして恐らくですが、その男性から逃れようとの意識が働いて隣に車両へ移動。
車内非常通報装置を押下したことで車内にはブザーが鳴り響いているでしょうから、京王線などでの事件を思い返した他の旅客も一斉に隣の車両へ移動。
そこで原因が分からない旅客がパニックになって、ドアコックを操作したり窓を開けて避難を始めたということですね。
停車した位置が駅出発直後だったために大半の車体はホームに掛っているものの、ホームドアの位置とはずれているためにさらにパニックに陥ったのかもしれないです。
車内非常通装置(非常ボタン)の使用については間違ってはいないと思います。
大声か怒号かは知りませんが、恐怖を感じるような状態で車内を歩く人なんて危ない人だと認識するでしょう。
今回は大声だけで済んだから良かったけど、もしもその後に刃物など凶器を振りかざしだしたらと考えれば、やっぱり間違いではなかったと思います。
そして大勢の旅客が隣の車両から慌てて逃げる様子を見れば、そりゃ京王線での事件を思いだしてみなパニックにもなるでしょう。
ワンマン運転の路線のようですし、車内非常通報装置が動作して運転士が応答するなど状況を把握するまでに、ドアコックや窓を使って車外へ脱出した人も多かったと思います。
京王線の事件を受けて各鉄道会社で訓練を行うなど、その対策に力を入れてきたとは思うのですが、運転士一人と駅員数人で対処することは実質不可能で、警察が到着してから実質的に対処が行われたのだと思います。
訓練も警察が到着してから不審者に対応するという訓練が一般的ですし。
私が車掌や運転士をしていた頃にも、車内で怒声を上げたり暴れたりする旅客はいました。
そして今回と同様に車内非常通報装置を押下されたこともあります。
昔は今ほど旅客がパニックにならなかったこともあり、運転再開までに要する時間は相当短かった。
車内非常通報装置が動作してブザーが鳴り響いていても、自分には関係がないと思ったり、故障で鳴っていると思いこんでいるのか普通に座ったままの人が多かったですから。
今回の副都心線のケースでは1時間ほど運転抑止が続いたそうですから、鉄道会社は運転再開までの時間短縮を目指した訓練を行う必要があるかもしれないですね。
安全が確認できるまで運転はしないという姿勢自体は良いけど、その確認に時間がかかり過ぎて、当該列車以外の利用者が多大な迷惑を被っていることにも目を向ける必要があるんじゃないのかなって思います。
急病人がいても
「俺には関係が無いからすぐ電車を動かせ」
とまで言い切る人もいるし、口には出さないだけで同じように思っている人も大勢いるでしょうから。