7月4日の15時15分ごろ東急田園都市線。
報道では一方的に言いがかりをつけられた乗客が隣の車両へ移動した際に貫通扉を閉めた。
それに対して言いがかりをつけた男は追いかけたのかな、貫通扉を殴ったり蹴ったりしてガラスを割った。
車内非常通報装置(非常ボタン)も押されようで、池尻大橋駅に停車。
池尻大橋駅の駅員からの110番通報で警察が駆け付け、貫通扉のガラスを割ったとして器物損壊の容疑で逮捕された。
誰かを追いかけ、貫通扉のガラスを割るような人がいれば、その様子を見た人は当然逃げます。
人が逃げてくる様子を見た人は、何かが起こったとか危険かもしれないと判断して同じように逃げ出します。
当然ですが車内はパニックになりますよ。
私が車掌になって2年目くらいだったかな。
乗務していた列車の車内で、若い男性同士のケンカが発生。
ただ先頭車で起きたために私はまったく知らずに乗務していました。
ある駅に停車してドアを開けたときに、それこそ突き飛ばされたような勢いで乗客が出てきたことにビックリ。
そして運転士からインターホンで
「客同士がケンカして暴れて、仕切扉のガラスが割られた!」
車内で大声でケンカをはじめたらしく、運転士は駅停車中に静かにするように注意をして乗務員室に戻った。
出発後にケンカしていた男の一人が、何かを叫びながら仕切扉を叩いたり蹴り始めた。
いつガラスが割れてもおかしくないと思い、身を縮めながら運転を継続していたが、駅停車直前に割れた。
何も知らない私は通常通りにドアを開けたところ、ケンカしていた2名がホームに飛び出て行った。
停車した駅が助役所在駅だったために応援を要請し、警察にも通報してもらった。
数分は止まったと思いますが、他の旅客がパニックになるといったこともありませんでした。
駅でガムテープを借りてきて仕切扉の割れたガラスに張って補強し、その後は通常通りに運転を継続。
でも列車の振動でガラスがさらに割れそうだったから、日中でしたが運転士は遮光幕を下ろして運転していたとか。
仲の良かった運転士でしたが、酒席の際には決まって
「俺は後ろで暴れまくる奴が怖くて身を縮めて運転していたのに、お前は意気揚々と放送して、普通にドアを開けて・・・」
と決まって言われていましたよ。
この当時って車内非常通報(非常ボタン)が押されるなんて滅多になかったし、万が一押されて車内にブザー音が鳴り響いてもパニックになるどころか、自分には関係が無いという感じで座ったままの人の方が多かった気がします。
このケースでも、車内非常通報装置は押されてはいませんでした。
先頭車だったから運転士が乗務しているし、って感じだったのでしょうね。
先日の東京メトロ副都心線のケースと言い、喚き散らしながら歩く人や車内で暴れる人自体は昔からいます。
車内非常通報装置が以前よりも周知されてとっさに押すことができる人が増えたのは良いのですが、その反面非常通報装置が使われた=危険な人物がいる、という図式が出来上がったのかなとも思いますし。
パニックにはできるだけならないようにとは思うけど、昔のように非常通報装置が動作したって座ったままなんて状態もマズいですし。
やっぱり車内に防犯(監視)カメラを取り付けて、車内非常通報装置が押されたらその車内の様子を乗務員室と運転指令などですぐに確認できるようにして、すぐに駆け付けられるとか音声によって指示できるといった装置に発展させていくしかないのかな。