12月12日、JR西日本 桜島線(JRゆめ咲線)西九条~安治川口間の踏切に男性2人が立ち入っている(渡り遅れ?侵入?)ことを運転士が発見して非常制動を投入。
その際に防護無線を発報したため周囲の電車も緊急停止。
大阪環状線では野田駅を発車した間もない電車も防護無線を受けて緊急停止し、その際に男女2名が転倒するなどして負傷し救急搬送。
また東海道線(JR神戸線)でも防護無線を受けて緊急停車したところ、架線の切替区間内(セクション)に停車したために運転再開に手間取り、東海道・山陽線(JR琵琶湖・京都・神戸)の米原~姫路、福知山線(JR宝塚)の尼崎~新三田、阪和線・関西空港線の天王寺~関西空港など広範囲で運休や遅れが発生した。
桜島線の踏切内に人がいることを確認した運転士は当然非常制動の措置を取ります。
非常制動投入は当然なのですが、その後に防護無線を発報していますがこれは必要なのかな?
私も運転士をしていて何度も踏切内にいる人を見つけて非常制動を入れていますが、他の列車の運行に危険が生じるようなことはないと思うのですよ。
当該踏切に接近する離合列車(進行方向が上下逆方向の列車)はひょっとすると、その踏切内にいる男性2名と接触する危険性はあるかもしれないが、極端なことを言えば、離合列車がその男性2名と接触した場合に運転士や乗客に何か被害が起きないと思われ、だとすると防護無線を発報してまで周囲の列車を止める必要性はなかったと思うのです。
防護無線は周囲1Km程度を走行する列車に対して緊急事態が発生したことを知らせ、直ちに列車を緊急停車させる目的で設置された装置です。
今回の件も、もしも踏切内の2名がお年寄りだったり車いすに乗っていて自力での脱出が難しいとすれば、反対列車を止めるために反行防護といって、運転士が手旗や信号炎管(発煙筒)を振って危険知らせるために線路内を走る(阪急六甲事故で阪急の運転士が行ったことで有名)とか、軌道回路短絡器が積まれておればそれを使用するなどして、危険が及ぶ対象となる列車だけを止めれば済む話です。
今回なんて踏切内にいた2名は立ち去っているということですから、防護無線を使うような事象とは絶対に言えない。
ただ発報した運転士を責めるのは酷だろうなあ。
とにかくJR西日本は様々な大きなミスを犯し続けてきた結果、どんなに小さな事象であっても最大限の防護措置を取る会社になってしまい、働いている人間に対してそれを求めるようになってしまった。
もちろん「福知山線脱線事故」や「新幹線のぞみ34号の台車亀裂」などの大問題や重大インシデントを踏まえての措置なのだろうが、あまりにも極端なことをする会社となってしまった。
もちろん緊急時に防護措置を取ることは必要不可欠だけど、乗務員や駅員に対して、君たちは何も考えずに会社が指示していることをやっておけば良いとでも指導しているのかな。
マスコミにさんざん叩かれたために今のような態勢になっているとは思うけど、そこにプラスして利用者目線をもっと意識してもらいたいけど。
本当に緊急時ならば列車を止めることは仕方がない。
それによって利用者には迷惑はかかるが、利用者の安全まで脅かされるような事態であればそれは仕方がない。
(その点は私が勤めていた会社はあまりにも希薄すぎて、少しJR西日本の垢を煎じて飲ませてもらえばと思う。利用者の目線だけを気にして、クレームが来ないことを優先して安全に対する考えがあまりにもいい加減すぎた在職当時……)
しかしJR西日本は緊急時とは言えない事象に対する対応方法があまりにも酷くなっている気がする。
そこには利用者の立場を完全に排除し、自分たち(JR西日本の本社)が責め立てられないような防護に回っているだけとしか考えられない。
小動物やサギ(鳥)と接触して、踏切の遮断桿が折れたからといって大幅な遅れや運休が出たなんてさすがにおかしすぎる。
そんなに踏切の遮断桿が折れると危険だから運転を見合わせたりするんだったら、はじめから遮断桿がない踏切(第3種と第4種)のある路線は遮断桿を設置するまでずっと運休すれば?
ちなみにJR西日本がもっとも第4種踏切の数が多いです。
国交省 令和4年3月現在の踏切のデータ (pdfデータ)
小動物や鳥と接触したとしてもガラスが割れていなければ、制動試験を行って異常がなければ運転すればいいんだよ。
正面のガラスが割れたとしても徐行運転で運転を継続して、待避線のある駅で運転を打ち切れば、今のような利用者に多大な迷惑を被る事態は相当減少できるんだけどな。
とにかくもう少し防護無線の取り扱い方は考える方が良いと思けど、どう思いますか?
ちなみに
私が運転士をしていた当時、私が勤務していた会社では防護無線は導入されていません。
偉そうに言っていますが、防護無線の使用要領については疎いので。。。