宅配ピザ大手のドミノ・ピザで、予約していても数時間待たないと商品を受け取れない事態が発生したと一部のネットニュースで報じられています。
12月24日の0時に「当日の注文も間に合います…!まだ!間に合います…!」とドミノ・ピザ公式Twitterに投稿したものの、実際には前日に時間指定で予約していても受け取れない事態が発生するなど、店舗(現場)では受注可能範囲を完全に超えているのでないかと思われる状態だったようで、Yahoo!ニュースのコメント欄には本社側を批判する多くのコメントが見られます。
Yahoo!のコメント欄は店舗側に同情的になってはいるのですが、一歩下がった位置から落ち着いてコメントしているからこのように言えるわけで、実際に店舗で並んでいた方やデリバリーを家などで待つ方はこんな悠長なことを思えるわけがない。
たいていこのようなシチュエーションでは店舗スタッフやデリバリーのスタッフに向かって、罵詈雑言を並び立てることは想像に容易いです。
ドミノ・ピザの公式Twitterを運営しているのが本社のどのような部署なのかは分かりませんが、現場の店舗の状態を全く考えずに会社上層部の側だけを見て発信するからこのような事態になるわけですね。
「1枚買うと2枚無料キャンペーン」やサッカー・ワールドカップ日本代表戦当日も注文が殺到して遅配や注文受付停止が発生したらしいですから、まったく現場のことを何も考えずに本社側で勝手に立案して勝手に進める結果なわけです。
前フリが長くなりましたが、これってどこの業界どこの会社でも起こり得る話で、私がいた某鉄道会社でも起こっていました。
例えば電車の運行に全く関係がないヘッドマークを掲出する機会が昔より増加しています。
〇系〇周年とか〇系ラストランとか。
電車好きな方はこのヘッドマークの撮影のために訪れるので、会社としては増収が図れるという計算式が成り立つということで会社の上層部も許可を出すわけですが、実際にはたいして増収に寄与なんかしていない。
それどころか駅員を別配置する必要が出てきたり、乗務員が本来ならば必要のないところに注意を向けないといけないなど、現場では弊害の方がはるかに大きい。
電車のラッピングなどはその最たるもので、その鉄道会社とは全く関係がない、ただタイアップして関連グッズを販売する目的だけのものも多くなっています。
そう思うと今は鉄道会社の現場より、本社の総合職などのほうがマニアの比率が高くになっているのではないか。
会社の上層部は増収につながるアイデアならばOKを出すから、総合職のマニアたちが現場のことを一切考慮に入れずに、次々と自分たちが満足することを打ち出している気がします。
撮り鉄は周りを見ることができずに、自分のことだけを考えるという妙な集中力を発揮しますが、総合職にいるマニアもよく似ているのかもしれません。
ドミノ・ピザの件はマニアとは関係がありませんが、しかし共通している部分も多いように感じます。
あと、女性専用車両は設定すること自体は女性利用者にとって必要だと思うけど、設定した後はすべてを現場に丸投げ。
結局現場で働く乗務員や監督職の中でも下の人間が、女性専用車両に反対する団体に罵られたり、名前とともにyoutubeなどにアップされるなど、結局現場の人間が困惑したり疲弊するように仕向けられているのが現状です。
私が勤務していた会社ではなかったけど、携帯電話電源オフ車両というものを導入していた関西某私鉄に勤務する人が言っていましたが、本社からも梅田駅に停車中の携帯電話電源オフ車両の車内で携帯電話を使用している人にお願いをして回る社員が来ていましたが、導入当初のそれも18時から19時ごろだけ。
本当に大変な金曜日の22時以降なんて一度も姿を見せなかった。
どれだけの乗務員がこの会社の一方的な施策で迷惑を被ったことかと、いまだに会うと文句を言っていますよ。
現場と本社側との意思の乖離というか、意思疎通のなさってどうにもならないのですかね。