ダイヤ変更のたびに「改正」ではなく「改悪」の声が聞こえてくるけど
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ダイヤ変更のたびに「改正」ではなく「改悪」の声が聞こえてくるけど

ダイヤ改正という名の響きからは、利用者にとってメリットがあるものというように聞こえますが、実際には利用者のメリットなんて何もない!とお怒りの方の方が多いですよね。

バブル期のころは夜間の運転本数の増加や最終電車の繰り下げ、朝ラッシュ時間帯も運転本数の増加や連結車両数の増加もあり、全体的には利用者にとってメリットとなる部分が多かったと思います。

それでも利用者全員にとってメリットになることはなく、駅勤務や車掌のころにはよくクレームをもらいましたけどね。

それまでは5分の電車を利用しちょうど良かったのに、運転本数の増加で5分の電車が無くなり2分か9分を利用しなければならない。

9分ではギリすぎるから今までより3分も早い電車を利用しなきゃいけない、朝の3分は貴重なのに……

でも全体的に見ればまだプラスの要因が多かったように思います。

 

大半の鉄道でコロナ禍前の利用者数に戻ってはいませんが、まるでコロナ禍によって一気に利用者の流れが変わったようにも映りますが、私が鉄道の現業職にいた2010年ころから、今後は利用者の右肩下がりが顕著になるとのデータ(他社の研究所が出していたデータ)が社内では示されていましたから、鉄道会社にとっては今の利用者数は想定通り。

インバウンドによる利用者増という想定外のことはありましたが、一般の通勤・通学利用者は今後も右肩下がりの状態が続きます。

インバウンドや観光向けの列車は今後も増えるかもしれませんが、平日朝夕の列車については利用者目線で言う「改悪」が今後も継続的に行われるでしょう。

本数を減らしたり編成両数を短くして混雑する列車が当然増加するわけですが、我慢せずにゆっくり座って行ってくださいと座席指定の列車を各社とも運転する。

関西では京阪がプレミアムカーでその先陣を切り見事に成功したので、新快速はAシートを設定して2023年からは本数も増加、そして他社の様子をじっと見て「石橋を叩いても渡らない」と揶揄されるほどの阪急までもが導入予定。

 

別料金を払いたくはない人も多いし、そもそも指定席などを連結した列車の運転がない路線も多いのですが、多くの利用者は少しでも混雑がマシな列車を利用すべく自主的に分散乗車を行うことで、ダイヤ変更後の混雑を自らが解消するように動きますよね。

結局ダイヤの変更は鉄道会社にとっては「改正」です。

運転本数を減らすことで車両保有数を減らし、電気代も減らし、所要乗務員数も減らし、点検に要する人員も減らしていけるなど、鉄道会社にとってダイヤの変更は「改正」なのです。

ところが利用者にすれば、それまでの行動を大きく変化させなければ対応できないことも多いですよね。

今までより3分も早く家を出なきゃいけないとか、下手したらバスの関係で10分とか15分も早く家を出なきゃいけなかったりもするし。

また混雑を避けるために別の電車を利用するのか、混雑はひどいけど我慢して乗車するなど、利用者にとってはダイヤ変更は「改悪」となるのです。

 

私は長く乗務員(車掌・運転士)をしていましたが、乗務員にとってもダイヤの変更は「改悪」です。

本数を増やし最終電車を繰り下げていた時代は、それだけ深夜時間帯の勤務が増えることを意味していました。

列車本数の増加ほど乗務員は増えませんから、毎日の仕事の量(乗務量・距離・時間)は当然増加する「改悪」です。

ただ私がいた会社ではそのぶん手当が増えたので誰も表立って文句は言いませんが、疲労の蓄積具合はひどかったですよ。

そして昨今は運転本数の削減や最終電車の繰り上げ、編成両数の短縮化が行われています。

これまでの経験から言うと、列車本数の減少以上に乗務員の定数が減らされるでしょうから、これまでより毎日の仕事の量は増加する「改悪」となります。

仕事の量が増えても手当が増えることは絶対になく、良くて据え置きでしょうね。

というより私が在職中に大幅な手当のカットが実施されているから、昔のことを思うと今の乗務員さんは本当に大変だと思いますよ。

だからと言って基本的な部分でミスを犯しちゃダメなんですが(赤信号を無視したり……)

 

ツイッターに書いた

これこそ鉄道会社の思うツボ

ということがお分かりいただけたかと思います。

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