5月17日、羽越線の酒田発秋田行き普通列車の車内で、数人のグループが騒いでいたためにこれを注意した男性との間で口論となり、この男性が警察へ通報したことから羽後本荘で警察が事情を聴くなどしたため35分の遅れが発生。
またこの影響で上下2本の列車が運休となった。
私が車掌のころにも同様のことがありました。
7~8人のちょっとヤンチャ系な男性グループが車内で騒いでいて、それを注意した60歳くらいの男性。
場所は後ろから2両目だったので、最後部に乗務していた私はその時の様子を確認していません。
女性客が車掌である私のもとへやってきて、隣の車両でおじさんが若い人たちに囲まれていると言ってきたので、仕方がなくその場へ行った私。
私が到着した時には60歳くらいの男性は胸ぐらを掴まれていて、本当にやばい状態。
こういう時はどちらが良いとか悪いに関係なく、人数が少ない方を引き離します。
その時には必ず人数が多くてどうみても勝ちそうな人たちに向かって、
「こんな所で手を出したら絶対に損するからやめておけ」
「この人は向こうの車両に連れて行くから、もうこれ以上手を出すな。警察沙汰になったら損をするだけだから本当にやめておけ」
そして正義感あふれるものの負けそうな人を引き離して、それから事情を聴いてから列車無線で報告という手順になります。
でも私はこのケースでは、あまり列車無線で報告はしていなかったですね。
車掌4年間で2度このようなケースがありましたが、2度とも無線では報告しなかった。
引き離した人を落ち着かせてから車掌だけがもう一度グループの方へ行って、
「さっきはすいません」とだけ言っておけば、たいていはそれで収まりますから。
でも今はたいていの人は携帯電話・スマホを持っているから、自分が劣勢になってくると警察へ通報してしまいます。
警察へ通報されたら乗務員としてはどうしようもできないし、列車に遅れが出ることは必至ですからできるだけ通報をさせないように、車掌が乗務しておればいかに早く引き離すかが重要になってきます。
すでに殴ったなどの暴力行為に出ておれば、警察に事後をお願いするしかありませんし通報もしかたありませんが、まだ暴力行為に出ていなかったらできるだけその場で収まるようにする方がいいですからね。
車掌は車内の秩序維持も任務の一つですから、こういったも行動も仕事の一環となります。
そう思うとグループの方が対処はしやすかったように思います。
一人で暴れている人とか、1対1でけんかしているときの仲裁のほうが厄介です。
一つ思い出した。
普通列車を担当していて緩急接続で停車中のホームでのこと。
頭は坊主で剃り込みが入って金のネックレスをしたいかにもヤンチャそうな人が、地元では有名な進学校のおとなしそうな学生に何やら文句を言っていました。
この場合はおとなしそうな学生を引き離す方が良いのなと思って近づくと、そのおとなしそうな学生が猛反撃を開始し、ヤンチャそうな人がボコボコにやられている。
止めようかと思ったけど、私は少し様子を見ることに。
本当に瞬間でしたよ、ヤンチャそうな人が殴られて鼻血を出すまでは。
ヤンチャそうな人は悔しかったのか恥ずかしかったのかは分かりませんが私に対して、
「血が出ているからティッシュかハンカチを貸せ!」と偉そうに言ってくるのですが、
「そんなものは持っていない!、それより警察を呼ぼうか?」と言ったのですが、
「ハンカチ貸せや!」と再び言うので
「駅で治療してもらうか、警察へ通報するかのどっちかだ!」
結局涙ぐみながら一人でベンチに座っていましたけどね。
車掌をしているとお客さん同士のトラブルには必ず遭遇します。
なので車掌はこういう場合にはどう対処するかを、事前に考えておく必要はあると思いますよ。