電車のことを知らずに運転していた私は故障が本当に怖かった
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電車のことを知らずに運転していた私は故障が本当に怖かった

運転士

本当に電車のことなんて何も知らなかった

私はまったく鉄道に興味はなく、進路指導の先生に

「潰れないし、高卒でも給料が良い」

と勧められて関西の某私鉄の就職試験を受けました。

試験の合間によく話しかけてくる人も多かったのですが、大半は鉄道ファン。

鉄道が好きで試験を受けている人ばかりでした。

車両のことを中心に話しかけられるのですが、私はまったく分からず、

「電車の違いがまったく分からないから」

とにかく何も知らずに鉄道会社へ入ったわけですが、いろいろと話しかけていた人たちはほとんどが試験に落ちていたようで、当時は鉄道ファンを雇うという気持ちが会社にはなかったようです。

 

 

どこにその駅があるのかが分からない

私が駅勤務の時代は精算機はごく一部の駅にだけ設置されていて、乗越精算はすべて改札で駅員が行っていました。

自社線内でもうろ覚えの駅が多数あり、A駅とB駅のある路線を逆に覚えている、そんな駅がたくさんありました。

乗車券による乗越は発駅がどこにあるのかを調べて、勤務している駅までの運賃から差し引けば良いのですが、定期券が困りました。

C駅~D駅の定期券をちらっと見せられて乗越精算するのですが、どちらの駅も見覚えがない駅。

必死になってどこの駅か調べていたら、

「E駅からの料金で精算」

とあきれたような顔をしてお客さんに言われる始末。

3線連絡の定期券で勤務していた会社が真ん中に来るため、どこにも知っている駅の記載がなく、自社のE駅から運賃収受するのが正解だったのです。

 

そういえばせめて自分が勤務する路線の全駅に降り立って、改札口は前の方か後ろの方か、助役配置駅で複数の改札がある場合はどの改札に助役がいるのかくらいは調べて覚えておけ、なんて言われましたが、休みの日にわざわざそんなことをするはずもなく、結局は在職中に降り立ったことがない駅が勤務していた路線にも数駅ありました。

 

 

車両のことは今でもよく分かりません

私が車掌のころの話ですが先輩の運転士に、

「あの電車ってHRDですか?」

と聞いたことがあります。

自社の車両ではなく、国鉄201系を指差して言ったのです。

「あの電車は回生だけど電気指令式ではないぞ」

たまたまHRDという単語を覚えたので、車両のことに詳しそうな先輩に聞いたのですが、「回生」とか「電気指令式」なんて言葉が出てきて混乱し、結局運転士になるまで言葉の区別ができませんでした。

 

運転士になってからも知らないことだらけで、年に数回ある研修の中でも車両故障に関する回は本当に真剣に聞いていました。

だって電磁直通ブレーキと電気指令式ブレーキの車両では故障の処置がまったく違っていたし、車両が作られた年代によって床下の機器の配置が真逆だったりしたから、きちんと覚えておかないと大変なことになりますからね。

3両目の山側の床下のあると思っていたCPが、実は海側にあったなんてことになれば、処置の時間が大幅に伸びてしまいますからね。

とにかくノッチを入れれば走り出し、ブレーキをかければ止まる、あとはブレーキのタイミングをいかに自分のものにできるか、それだけを考えて運転していたと思います。

スイッチやコックは出庫点検時にあちこち触って覚えていったし、床下の機器も同じような感じで覚えました。

でもいざ故障となった時の処置にはまったく自信がない。

運転士見習時代に配布されたフローチャート式のマニュアルをずっとカバンに入れて乗務していました。

でも配布されて以降に登場した車両はこのフローチャートに当てはまらないことも多く、運転士を辞める直前に登場して実際に運転した車両なんて、今でも故障の処置は分かりません。

 

たまに他社の元運転士の方と会うことがあるのですが、私以外の方は本当によく鉄道車両のことをご存じです。

特に国鉄・JR出身者で、検修部門から運転士になられた方は本当によくご存じです。

自身で車両のメンテを行っていたわけですから、故障にも強かったようです。

私がいた会社の車両のことだって私よりもよく理解されていましたし、最新の車両のことも話されるのですよ。

私なんて自分でハンドルを握った車両でさえイマイチ理解できていないのに…

なので

私は鉄道好きな方たちよりも、鉄道の車両のことや信号などの設備のことについて、理解度はかなり低いです。

 

裏事情はいろいろと知っています。

表には出せない話とか、事故自体は有名で事故調の報告も公表されているけど、実はこういうこともあって……みたいな話は自社他社問わずに。

仕事には一切役に立たなかったのですが。

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