時計やスタフの置忘れとマスコンキーやハンドルの抜き取り忘れ
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時計やスタフの置忘れとマスコンキーやハンドルの抜き取り忘れ

運転士

時計やスタフの置忘れ

列車を担当して終点に到着する。

交替ではなく乗務場所を代わって引き続き反対方面への列車を担当する場合。

当然ですが運転に必要な持ち物や備品類を持って乗務場所を替わるわけですが、たまにやってしまうのが時計やスタフなどの置忘れです。

ほとんどの運転士は見習中からずっと同じ手順に沿って運転席を後にします。

私がいた会社だと、非常ブレーキ投入後にレバーサーハンドル中立位置に、そしてマスコンキーを抜いてドラムスイッチを「前」位置から「後」位置へ、扉の切替え(車掌がドアを開けている状態から、運転士側のドアを開けている状態に切替える)などと運転上の作業は流れが決まっています。

その後は運転時計やスタフ、乗務用カバンなどを持って反対側の乗務場所へ移動。

この一連の流れが崩れない限りは置忘れなどは起こらないはずが、何かの拍子に流れが狂うと忘れてしまいます。

多いのが列車無線からの情報を聞いていて手順が狂うパターンかな。

当然聞かなければいけないのですが、自分の一連の流れが聞くことで一旦リセットされて忘れてしまうのです。

ふと何かを考えた時にも流れが狂うし、乗務員室のガラスをどんどんと叩かれたり、大きな声で質問された時も危ないですね。

私は見習中に師匠から、

「作業の途中で自分で流れを切るな、お客さんから何か言われても作業優先!」

 

 

新しい車両が増えてくると

最近の電車はほとんどがデスク型の運転台で、ハンドルなども一体になっていますよね。

私が運転士になったころはブレーキハンドルを抜き差しして持ち運ぶ車両の方が多く、それが当たり前という感じでした。

新しい車両がどんどん入り古い車両が徐々に消えていく状態になると、ブレーキハンドルやレバーサハンドルを抜き取る作業を行う回数が減ってきます。

私が運転士だった最後の方には、1日中新しい車両ばかり担当して古い車両に全く当たらない、そんな日が何日も連続することも珍しくはなくなってきます。

するとやっちゃうのですよ、ハンドルの抜き取り忘れを。

 

いつもと同じように終点に到着。

備品類を持ってホームに降り立つ。

反対方向から歩いてくる車掌と一言二言言葉を交わす。

ホーム上で一切話をするなと本社の方々が言ってくるので、仕方なく助役連中も乗務員へそのように指導してきます。

※私がいた会社だけか??

運転士と車掌が全く話もせず素通りすることが多くなっていますが、無駄話でなければする方が良いと私は思っています。

経験則で運転士が車掌へ教えてあげることも多いのですけどね。

「今日は○○駅近くのお寺に参拝する人が多いから、特にお年寄りには気を付けて」

なんてこともあるのですけど。

 

なので今ならばすぐに反対側の乗務員室へ入る。

乗務カバンを置いて運転台を見た時に

ブレーキハンドルを差す車両なのに、持ってきてない!

っていうことに気づきます。

出発時間までまだ時間があるので、今来たホームを再び戻ってハンドルを取りに行く。

車掌がいる乗務員室へ私が行くと、かなり驚いた顔をします。

そりゃそうですよ、この運転士は何をしに来たんだ?って感じになりますからね。

「ハンドルを忘れたんだ」

と言いながらハンドルを抜き取り、また反対側の乗務員室へ戻っていく私。

運転士を20数年やっている中で、何度かはハンドルの抜き忘れをやっちゃいました。

 

車掌がマスコンキーやハンドルを持って走る

私が車掌をしていたのは昭和の時代です。

乗務場所を交替して運転台に入った車掌はATS電源の切り忘れや扉の切替えができているのかをチェックし、その後に運転台周りを見て運転士が忘れ物をしていないかを見る、っていうのを車掌見習時代に叩き込まれました。

運転士が何か忘れ物して出発が遅れれば、結局車掌も遅延回復の作業をしなきゃいけませんので、その防止もかねてです。

※いつも言いますが、あくまで私がいた会社のとある乗務区の話です

ただ昔はバカみたいに飛ばす運転士も多かったから、少々遅れたところで影響はないはずですけども…

 

忘れ物を発見した車掌が運転士にインターホンで、

「ハンドル忘れてる」

「マスコンキーが刺さったまま」

「スタフが残っている」

などと連絡して車掌が途中まで持って行き、運転士に手渡す。

乗務区に帰ると運転士からお詫びにコーヒーを一杯おごってもらう。

ここまでが一連の流れになっていました。

もちろんインケツな運転士と乗組んでいる時は、忘れ物に気付いても知らせたりはしなかったし、途中まで持ってきてくれなんて頼まれても「無理です!」なんて言って断ることもあったけど。

 

今はブレーキハンドルをはじめマスコンキーなどは車掌は触らないようにとの指導もあるため、それこそブレーキハンドルを抜き取れない車掌も多く、運転士が忘れたことに気付いて頼んだとしても、

「抜き取ることができません…」

運転台周りの忘れ物にまで目を配る車掌も今はいないでしょうから、運転士自身が忘れないように気を付ける、忘れたしまった時は運転士が取り行く、っていうのが普通になっているようです。

車掌を批難しているのではないですよ。

今は各個人で責任を持って操業しろという時代ですから。

ただ車掌が何らかのミスをしても運転士もカバーしないなんていうことも在職中にあったしね。

 

ワンマン運転が主流になり、自動運転も視野に入ってきた時代ですから、ハンドルやマスコンキーを反対側運転台に忘れたなんて許される時代ではなくなったということかな…

 

2018年1月28日の記事をリライトしています

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