1月29日、強風のために25Km/h以下に規制されていたのに、運転指令が通告を忘れてしまったことで通常通りの100Km/h程度で走行したことが昨日30日に発表されました。
常磐線の東海と大甕の間で、当日は強風が吹いたりやんだりを繰り返していたため、速度規制と解除を繰り返していたらしい。
幸い事故などに繋がらなかったからよいものの、強風による脱線などで死傷事故などが起きたら・・・怖い話です。
しかし、今ってこういうミスを犯しましたって翌日になってからでも発表するようになりました。
昔ならバレなきゃいいやって感じで、昨日のことなんて闇から闇へと葬り去っていましたよ。
強風による速度規制と解除を繰り返していたということですから、おそらく運転指令は強風を通知するランプやブザーに振り回されていて、徐行の通知を忘れちゃったのでしょう。
運転指令って運転士以上に冷静に対応を求められる部署なんだけど
「ちょっと落ち着けよ!」
って運転士の側から言いたくなることもしばしばありましたよ。
ホントはダメなんだけど、運転指令が徐行指示の通告を忘れてしまうことってたまにありましたよ。
私が実際に体験してよく覚えているケースでは・・・
15時ごろに踏切障害(人身事故)が発生しました。
かなり昔のことですから、今のように運転抑止なんてしません。
遺体を搬出するときや、軌道内に警察官が立ち入る場合にのみ速度規制がひかれていた時代でした。
私は乗務前に出勤を管理する助役に事故現場は徐行指示が出ているのかを確認しましたが
「今は出ていない。もし今後徐行指示が出れば列車無線で指示します。」
との返答でした。
優等列車を快調に運転して行くと7~8分でその事故現場の踏切に到達します。
どの列車も徐行はしていないので、ほぼダイヤ通りにその踏切に接近しました。
遠目からでも踏切周辺に係員がいるのが分かります。
かなり接近した時、軌道内で係員立ち合いで警察官が現場検証をしているのが分かりました。
急気笛と非常ブレーキ投入!
目の前では慌てて軌道外へ出ていく係員と警察官の姿が見えます。
何とか誰とも接触せずにすみました。
非常ブレーキで停車させた列車に係員が駆け寄ってきます。
「徐行の指示が出てたやろ!」
「乗務前にも確認したし、列車無線でも指示は受けていない!」
頭にきてそれだけ言って列車を再び走らせた私。
そのあとすぐに
「こちらは運転指令、事故現場付近の徐行の指示です・・・」
おそらく現場にいた係員が運転指令に無線を流すように依頼したのでしょう。
乗務区へ帰ってから
「ごめん!運転指令が指示を出したものと勘違いしとってん。あの時点で指示が出ていなかったのはみんな確認してるから」
と出勤管理の助役から言われるだけで一件落着です。
これ今の時代ならばマスコミで派手に取り上げられそうですよね。