これまでにも何度か書いてきた乗務中の私物スマホの操作のこと。
今度はJR西日本の同志社前発宝塚行快速列車に乗務中の運転士で、10月21日にあったそうです。
おそらく旅客からの会社への問い合わせで発覚したのでしょう。
会社の聞き取りに対して、体調が悪い家族がいたので、スマホに連絡が入っていないか気になって断続的におよそ60秒間操作したとのこと。
気持ちは分かるんですけど、残念ながら乗務中は乗客のことを考えなければいけません。
実際のところ少々前方から目を離したところで、信号機の現示を無視するようなことは起こりませんし(ATSがありますから)、速度超過もATSでカバーできる範囲ならば自動的にブレーキがかかります。
でも走行中には何が起こるのか分かりません。
先日も新幹線の豊橋駅で線路内に立ち入った人が通過中の「のぞみ号」にひかれる事故があったように、事故や運転を支障する出来事がいつ起こるのかはわかりません。
そう思うとやはり一瞬だったのかもしれませんが、スマホをチラ見するというのは危険な行為と言えるわけですね。
私の場合は家族の体調が悪いときは、何を言われようと会社を休んでいました。
だって家族のことが気になって仕事どころではなくなりますからね。
もしも私物の携帯を持って乗務していたら、気になって気になって頻繁に携帯の着信チェックをしてしまいますから。
家族を優先にしていたのでよく当日に急にお休みを伝えていた私は、おかげさまで助役になるのが無茶苦茶遅かったですし、乗務員としての昇給もめちゃくちゃ遅かったですけどね。
乗務中は私物のスマホは電源を切って乗務することになっていたJR西日本ですが、残念ながらそれだけでは対策としては不十分だったようです。
携帯電話(ガラケー)が出回り始めた初期のころは特に規制はありませんでしたが、そのうち私物の携帯電話を所持しての乗務は原則禁止。
ただし区外泊など乗務区以外の場所で仮眠をとる行路の場合のみ、電源を切って所持しての乗務が認められていました。
これだって対策としては甘かったですからね。
どこの会社か忘れましたが、携帯電話は電源を切って金庫のような入れ物に入れて乗務し、その入れ物は担当助役が施錠や開錠を行うなんて話を聞いたことがあります。
やっぱり手に取れる状態だとつい触ってしまうこともあるでしょうからね。
それよりも、運転士や車掌って体調不良のほか心配事があっても集中して業務にあたれないと思うんです。
だから本当に家族の体調が心配な時は、会社も休ませてあげてほしいと思います。
私の時のように成績を下げたりせずにね。