車内で刃物を持った人が暴れているという想定の訓練

今年は立て続けに、電車の車内で刃物を持った人が暴れるといった事件が起きました。

当然ですが各鉄道会社では、小田急や京王車内で起きた事件を念頭に置いた対策を講じるわけですし、警察などと合同で訓練も行います。

そういった様子は各地のテレビや新聞で報じられていると思います。

 

この手の訓練ってやはり回数を重ねて行うことが重要で、何回も行っていくうちに

“この場面ではこういう動きをしなきゃいけない”

と自然に考えられるようになるまで行う必要があるし、またこれから先も定期的に行って忘れないようにしなきゃいけません。

 

警察との合同訓練のほか、車両課や土木・工務課、あとは電気や通信といった各部と運輸部門との合同訓練なんてのもありますし、他社と乗り入れ(相互乗り入れ)しておれば各社での合同訓練というものもあります。

でも私は車掌・運転士と30年以上乗務員をしてきましたが、この手の合同訓練に参加したことなんて一度もない。

それも合同訓練が終わって数日してから、こういった内容の合同訓練をしたっていう話を聞くだけでした。

※乗務員のみで同じような訓練を後日行うのですが・・・

これも会社や乗務区によって考え方が違うかもしれませんが、私が所属していた乗務区の場合は乗務員がこの手の訓練に参加することはなく、毎回乗務区の助役以上の監督者・管理者のみが参加していたんですよね。

私がこの手の合同訓練に参加したのは助役になってから。

半年しか助役をしなかったのに、2回も合同訓練に参加しましたからね。

 

合同訓練に乗務員を参加させようとすると、公休か非番の日に残業として参加させるか、または勤務の日に仕業から外して参加させることになります。

休みの日に強制的に参加しろとは言えず、また仕業から外せばその穴埋めに代わりの乗務員を立てなければいけない。

助役の場合は自身の勤務中に参加すればよいだけなので、社員の運用面からいって楽なので乗務員を参加せていなかったのです。

 

もちろん訓練の内容によっては乗務員はあまり関係のないものもあります。

列車が脱線して線路へ戻す訓練なんて様々な部署の係員が出てきて行うわけですが、あくまで車両を線路へ戻すための訓練なので乗務員はあまり関係ないとされていました。

でも、実際に乗務しているのは車掌と運転士なわけで、どこでどのように脱線しているのかを無線で報告したり、初期の避難誘導を担当するのは実際には乗務員なのですけどね。

なので乗務員を30年以上やってきても、助役になるまで取り扱い方を知らなかったことってホントにたくさんありました。

 

マスコミが取材に来る合同訓練って1回しか行われないために、乗務員全員がその訓練に参加することは不可能です。

その訓練の内容を詳細に乗務員に説明し、同じような訓練を乗務員だけで行うことが当然重要だし実際に行うのですが、乗務員ならでは視点っていうものがあって質問したとしても、残念ながらその返答をその場でもらうことってできない歯がゆさはよく感じました。

それと合同訓練時はかなり本番に近い形で行うのですが、乗務員のみで行う訓練はどうしても端折って行うから訓練というよりは練習程度になってしまうし。

 

これまで刃物を持った乗客が暴れるとか、車内に火を放つという事件が起こるとは想定していなかったと思います。

そんな状況の訓練は経験ありませんし。

いつ起きても不思議ではない物騒な世の中でもあるし、練習では無く訓練をすべての乗務員が受けられるようにしてほしいです。

できれば乗務員だけの訓練の時にも、数人の警察官が参加できるような態勢で。

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