電磁直通ブレーキ-1

たまには(元)運転士らしい話でもしましょうか(笑)

最近は電気指令式のブレーキの車両がふつうになり、電磁直通ブレーキの電車はその数を徐々に減らしています。

電気指令式って決まった段数に入れれば所定の制動力が得られるので、運転するほうにしてみればあまり考えずに操作ができるって感じではありましたね。

電磁直通ブレーキはハンドル角度によって制動力が決まるのですが、70度の角度を入れたつもりでも毎回微妙な違いが出てしまいます。

たとえば70度のハンドル角度だから300KPaのつもりでも、実際には310KPaかもしれないし290KPaかもしれない。

それでもって

「この編成はよくブレーキが利く」

とか

「ちょっと甘いなぁ」

なんて感想を持ってしまうこともあるんですよね。



しかしKPaっていうのにいまだに馴染めないなぁ。

KPaっていうのが正式に導入されたのは1999年の新計量法が制定された以降で、それまではkgf/cm2だったからね。

若い運転士はKPaに慣れていて320KPaとかってふつうに言えるようだけど、私はいまだに3.2㎏/cm2(3.2キロ)って言っちゃうんだよなぁ。

ちなみにこの空気圧は直通管の圧力をさします。

電磁直通ブレーキって簡単に言うと

ブレーキハンドルを操作すると電空制御器っていう装置から電気が流れて、その電気で各車両の電磁弁を動かす。

この電磁弁によってブレーキシリンダーへの空気(元空気溜め→供給空気溜め)を送ってブレーキをかける。

電気を使って電磁弁を動作させるので、すべての車両でほぼ同時に同じ強さのブレーキがかけられる。

もちろん空走時間ってのがあるから、ブレーキ操作をしてから実際にブレーキ力を得るまでには3秒くらいかかる。

この3秒はあくまで最初のブレーキ操作時の話で、追加したり緩めたりするぶんにはほぼ時差はありません。

ちなみに電気指令式のブレーキの場合、空走時間は1秒ほど。

それと

電磁直通ブレーキの車両も非常制動には自動ブレーキを使っており、制動菅の空気を抜くことで非常ブレーキがかかります。

この時の空走時間は約1秒。

応答性は意外にいいんですよ。

私も含めて、昔の運転士がよくやっていたのですが

電磁直通ブレーキで全制動まで入っているけど、もう少しブレーキ力が欲しいって思うことがあります。

そんな時には全制動まで入っているブレーキハンドルを上下左右に細かく動かすのです。

すると直通管のゲージの針がぴょこっと上がるときがあるのです。

電空制御器っていうのは元空気溜めと直通管圧力の差によって電気を送るので、この直通管圧力がぴょこっと上がると各車両の電磁弁へ電気(指令)を送ることになるので、少しだけブレーキ力が上がるというわけです。

今はそんな運転士はいないかな(笑)