刃物を持った不審者がホームにいるので注意して運転してください

今頃の季節だったと記憶していますが、20時ごろ乗務区で休憩しているときに無線が入りました。

「〇〇駅〇番線の下り端付近に刃物を持った不審者がいます、気を付けて運転してください」

気を付けて運転って、その駅に列車が停車すれば車掌はドアを開けるでしょうし、この駅で下車する人は何も知らずにホームに降りるわけです。
まさか不審者のいる駅に列車を停車させて、そのままドアを開けずに待っているというわけにもいかないです。

不審者を確保するまでの間は、その駅の両隣の駅で運転抑止しなきゃ危ないだろ。
そう思って私を含め数人の乗務員が乗務の助役へ詰め寄りました。
「なぜ不審者を確保するまで列車を止めないんだ!」
助役の方から返ってきた言葉は
「たしかになぁ、ちょっと副区長に相談するわ」

助役クラスが運転指令に対して意見などできるはずもなく、この時乗務区にいたもっとも上の役職の人間にお願いして、そこから運転指令の指令長(またはその時運転指令にいるもっとも上の役職)と相談するという順序だてになります。

 

 

この時は運転指令が判断を下す前に、警察によって不審者は確保されました。
ホームにいたお客さんが改札の駅員に、ナイフを持って何やら意味不明なことを話している男性がいると通報したため、駅から警察へすぐに連絡したそうです。

以前にも書いたかもしれませんが、私が勤務していた会社では一部の駅にしか一般の加入電話が配備されていませんでした。
会社内の連絡用に鉄道電話(社内電話)はあちこちにあったのですが、いわゆる0を回して一般の電話につなぐ(外線)ことができず、緊急時の連絡に不安があったんですよ。
今回の不審者が現れた駅はたまたま一般の加入電話があった駅だったので、すぐに警察へ連絡することができました。
これがもしも鉄道電話しかない駅だとしたら、〇駅から管区長所在駅へ鉄道電話で詳細を連絡し、そこから改めて警察へ電話するということになり、即応性という部分ではやっぱり不安が残ります。

今ならば私物のスマホもあれば会社内で使用するスマホなどもあるでしょうから、問題はないのかな。
なにせスマホどころかガラケーもほとんど普及していなかった時代ですからね。

 

 

それ以上に運転指令の判断の悪さが際立っているでしょ?
すぐに運転抑止の指示を出さなければいけない場面です。
いま同じことを運転指令がしたら、会社は立ち直れないくらいにフルボッコにされているでしょうね。
もっととんでもない指示を出したこともあるのですが、それはまたの機会に書こうと思っています。

運転指令の基本姿勢として、列車を定刻で走らせることが一番大事なんですよ。
自らの判断で列車を遅らせるような抑止(運転を一時やめて停車させる)なんて、昔の運転指令の頭には無かったんじゃないかな。
もちろん運休という選択を運転指令の判断で行うだなんて、まずなかったですよ。

荒天や地震などの場合は抑止や運休(取消)という選択もとりやすいようなのですが、それ以外の要因ではとにかく走らせろ!って感じでしたからね。

だいたいホームにナイフを持った不審者がいるのに気を付けて運転しろって乗務員へ指示を出すって、乗客の安全っていうもっとも大事な部分が抜け落ちているんですよね。

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