JR日光線で運転士居眠り 乗客の動画投稿で発覚
という記事が新聞に出ていました。
旅客が運転士が居眠りしているのではないかと疑ったのでしょうか、動画を撮影してどこかの報道機関へ投稿して発覚したそうです。
5日の8時50分ごろに撮影されたという動画によって、当日中にJR東日本は謝罪しました。
別の新聞では8秒約100メートルにわたって居眠りをしたと書かれていましたから、一瞬強烈な睡魔に襲われたのだと思います。
旅客にすれば、睡魔に襲われるということは緊張感を持たずに運転している証拠だし、運転士としての資質に欠けているのではないか。
多くの人命を預かって運転するわけだから、前日には睡眠をきちんと取って体調を万全にして職務に当たるのが当然だし、プロとして当たり前のことではないか。
そう言いたい気持ちも分からなくはないですよ。
撮影されたのが朝の8時50分ごろということは、明けの日の仕事と言うことになります。
明けの日の勤務が8時からということはあり得ませんが、この路線を担当する乗務区の仕業を知っているわけでもありません。
なので想像によるものになりますが通常は遅くても6時から、早ければ始発から担当することもふつうです。
もし朝6時から乗務するとすれば前夜は最終まで担当していたでしょうし、始発から担当するにしても早くて22時過ぎまでは乗務していたでしょう。
基本的に乗務員の睡眠時間が短すぎるのです。
どこの会社も睡眠時間なんて呼ばずに、あくまで“仮眠”と言いますけどね。
よく眠れたとしても4時間くらいが乗務員の仮眠時間の相場です。
運転士の居眠りに関する謝罪でもたいていは
- 指導を徹底します
- 責任感を持って執務するように指導します
ということを言うわけですが、指導されたところで運転士の睡眠不足による居眠り運転が解消するわけがない。
仮眠時間を最低でも6時間は取れるようにしないと、絶対にこの手の指摘はなくなりません。
6時間も睡眠を取れるようにするには
- 乗務員の数を増員する
- 列車の運転本数を減らす
どちらかしか方法は無いのですよ。
これから先は乗務員も駅員もとにかく減らそうと各会社は考えているわけですから、乗務員を増員することは絶対にありません。
また最終の繰り上げや始発の繰り下げだけでは仮眠時間の6時間以上の確保は無理で、全体的に運転本数を減らすしか方法はないでしょうね。
私も当然ながら運転中に睡魔に襲われたことは何度もあります。
ミント系の刺激の強いガムを噛む、フリスクを口に含んでおく、立って運転する、鼻歌を歌うと言ったことが定番の睡魔に耐える方法でした。
普通列車だと駅に停車中の20~30秒程度だけ目をつぶることも。
20秒とか30秒の“睡眠”も意外と効果がありましたよ。