私が駅勤務だった昭和50年代って、私が勤務していた会社では改集札機や券売機が設置されていましたが、まだまだ昔ながらの作業も数多く残っていました。
その一つが帯紙や紙縒り(こより)になるのかな。
帯紙はお札を束ねる紙で一般的には札帯と呼ばれるものです。
この画像の帯紙よりもう少し幅が狭いものを私の会社では使っていました。
この帯紙が束で各駅に置いてあり、実際にお札を束ねていました。
50枚単位で帯紙で巻いて、端っこはテープで留めるのではなく巻いてくくっていました。
お札が25枚の場合はお札を半分に折って、そして帯紙で巻いていました。
お札を数えるのも銀行員ほど上手ではありませんが、扇型にお札を広げて数えていましたしね。
この帯紙は他にもいろいろと使っていて、たとえば帯紙をくるくると丸めて紙縒り(こより)を作り、紙縒りに5円硬貨や50円硬貨を通してブレスレット状にして括ったり。
帯紙のままだと簡単に手でちぎれてしまいますが、紙縒りにすると少々の重さでも耐えてくれるほど丈夫になるんですよ。
私は紙縒りを作るのが下手でして、ベテランの方が作った紙縒りと私が作った紙縒りでは長さが全然違うのですよ。
私が作ると短いし、さらに硬貨を通すとちぎれそうになるほど弱々しかったですね。
改札口に座りながら、ヒマな時はずっと紙縒りづくりを練習していましたよ。
あとは忘れ物に括りつけたりもしていましたね。
忘れ物(遺留品)にはエフ(荷札のようなもの)を取り付けて台帳にも記入するのが本筋ですけど、小さな駅の場合は当日中に取りに来ることも多いので、エフの代わり帯紙に届出時間や拾得場所などを書いて忘れ物に括りつけていたのですよ。
あとは私物の傘と忘れ物の傘を区別するために、帯紙に名前を書いて持ってきた傘に付けている人もいましたしね。
また当時は自動改札で磁気定期券(裏が黒ではなく茶色だった時代)の取り忘れも多くて、帯紙に取り忘れた時間などを書いて定期券に巻き付けて保管したりしていましたしね。
まあ言ってみれば付箋の代わりに帯紙を使っていたということですね。
今の駅では使わないでしょうねぇ。