車両に搭載された塗油器

塗油器については前回少しだけ触れましたが、主に曲線部分のレールの内側に油を塗ることでレールや車輪の摩耗を防ぐとともに、軋み音を低下させる役割あります。

曲線部分には車輪が通過するとスイッチのように押して油を噴射する装置が取り付けれていて(アラジン塗油器っていう名前があるんですね、今回調べて知りました)、油の吹き出し量についてよく施設の担当課へ連絡していたことも書きました。

ある駅のすぐ先にある曲線部分に設置された塗油器については本当に頻繁に連絡していました。

曲線を抜けて直線部分でノッチを入れると必ず空転して、次の駅に定時で到着できない状態が多かったためです。

ただ油の噴出量を絞ると今度は沿線の方から苦情が入り、仕方がなくまた油が出るように調整するということを週に1~2回は行っていたほどです。

レールの内側と車輪のフランジ部分だけに油が付くようにできれば良いのですが、実際には油が出すぎるとすぐにレールの上部や車輪の踏面にまで油が付いてしまい、そして油を引きずってしまうことで直線部分でも空転を起こしたり、下手したら次の駅に停車させるときに冷や汗をかくこともしばしばありました。

 

昔から車両のごく一部にですが、車両の台車付近に塗油器を取り付けて噴霧しています。

最近の車両に搭載している塗油器は性能が良くて、曲線部分に来ると車輪のフランジ部分に噴射するとか。

フランジ塗油器っていうのかな?

私が運転士をしていた時には、そんな性能の良い塗油器は取り付けられていませんでした。

何せ走行中は油が出っぱなしでしたからね。

 

それも油を噴霧するためのノズルの位置がなかなか微妙でして、低速で走行中の時は線路外(踏切とか)で見ていても油が出ているのが見えるほど。

この装置ではレールの内側に油を見事にヒットさせられるわけがなく、レール全体に油がかかっていましたからね。

もちろん枕木にもバラストにも油がたっぷり。

 

運転士の学科教習(車両)をはじめ操縦の見習とか出庫点検の要領などを習ったときにも車両に塗油器を搭載していることなんて知らされず、(曲線部分に設置される塗油器は習ったけど)はじめて油を吹き出しながら走行する電車を見たときは本当に驚きましたよ。

※こういったことは鉄道を趣味としている方のほうが詳しかったりしますよね

始発駅から出発し25km/hでポイントを渡る駅でもお構いなしに油を噴射するものだから、空転してオーバーロードを起こし電車線を停電させたり、次の駅で止めることができずに過走(いわゆるオーバーラン)したりが一時期続発したことがあり、空転は直列段で引っ張らずに並列段に入れるからだとか、過走はただ運転技術の未熟からだなんて言われていて。

そんなときに何気に

「(車両番号)○○○○の2両目から油が噴出しているのが原因じゃないのか?」

って乗務区で言ってから、そんなことは助役たちも知らないものだから大騒ぎになって、車両の塗油器の使用を取りやめたこともありました。

 

カーブなどでの摩耗と異音を防ぐとなると、今のところ油を塗る以外には方法がないのかな。

ただ油を塗られることで運転士は肝を冷やすことが多々あることも事実なんですよね。

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