ATSのトラブル-2

小出しにに書いていきますと書いていながら、ずっと放置されていたATSのトラブルに関する話をしていきます。
元々のATSって赤信号が現示されているときには、その信号機を超えないようにするための装置です。
赤信号がついているということは、その信号機の内方に列車が存在していることを示す状態です。
赤信号を無視したり運転士のブレーキ操作が間に合わない場合には、下手すれば前方に存在する列車に追突する危険性があるから、ATSによって列車を強制的に止めようとするために設置されていきました。
元々のATSは赤信号を冒進させないためのものでしたが、各鉄道会社それぞれで進化させていったために、会社ごとにATSって違っていたりします。

ATSが動作した際のブレーキは会社によって違うようで、常用制動の全制動によって減速停車させる会社と、非常ブレーキによって減速停車させる会社があります。
全制動より非常ブレーキのほうが当然ですがブレーキ力が強いのですが、体感的に言うとあまり変わらないような気もします。
ただ言えるのは、低速域の場合に全制動や非常ブレーキが投入されると、その衝動はすさまじいものになります。

前方の閉塞信号機がR(赤)だったので、かなり手前から緩くブレーキをかけて転がしたりします。
特に朝のラッシュ時間帯は駅に停車させるとき以外は、できるだけ緩いブレーキをかけるようにします。
駅に停車する時のブレーキには皆さん慣れているので、体をうまく体重移動させて倒れたりしないように自然と踏ん張っていますよね。
ところが普段止まらないような場所でのブレーキって慣れていないからか、緩いブレーキにしないと踏ん張り切れずに周囲の人にもたれかかったりします。
すると将棋倒しのような状態になり、車内はドドドッというすごい足音が振動とともに伝わってくるんですよね。
だからHRDの車両だとブレーキを1ステップだけとか、HSC(電磁直通ブレーキ)ならば100KPaまでとか自分なりに決めてブレーキをかけていました。

ところがたまにですが、停止しなければ非常ブレーキや全制動が入る地点よりはるか手前で動作することがあるのです。
もうねぇ、冷や汗がダラダラ流れてきますよ。
後ろからお客さんのドドドって足音が響いてくるし、ミシミシって音が耳に入ってくるし、倒れないようにと手を伸ばしてガラスにすごい勢いで突いてしまう人もいますからね。
その瞬間に

「やっちゃった・・・」

「日勤教育かも・・・」

なんてことが頭の中をよぎるのですが、すぐに我に返って前方を見てみると

「なんでこんなに手前で動作するんだ?」

「まだ数十メートルもあるのに」

こんどは怒りが沸き上がってくるんですよ。
それで怒りながら運転指令に

「数十メートル手前でATSが動作して停止しました!」

と報告するわけです。
なぜだか私はこの事象によく当たっておりまして、全くそういった経験がないという運転士もいる中、私は年に1回は当たっていたような気がします。