旅客に殴られた経験

 寝ている人を起こすのが仕事?

車掌をしていると、寝ている旅客を起こさなければならない場面によく出くわします。
終点に着いても寝込んでいる人はもちろんのこと、ほぼすべてのシートが埋まっている状態で、シートに横になって寝ている人も起こさざるを得ないです。
でもたまにですが、終点に着いても起きずに寝込んでいるんだなと思い起こしてみると
「今乗ったところや!」
って怒鳴られたこともありますよ。

 ほとんど酔ってはいない

金曜日の夜の列車を担当していると、だいたい22時を回ったころから酔った旅客でいっぱいになってきます。
22時くらいまでは飲んでいるので、意外と電車は空いているのですけど。
そんな金曜日の夜23時ごろの最後部の車両で、ツレの人と立ちながら喋っていた中年男性旅客。
仕切り扉にもたれながら話をしていたので、あまり酔っていないこともすぐ分かりました。
停車駅ごとにツレの方が降りていき、終点まであと1駅というところでこの方は1人になりました。
時間にして3分くらいです。
始発駅を出発するときはいっぱいでしたが、この時点では閑散とした状態になっていました。
ツレと思われる人たちは先にすべて下車したので、この人は私の目の前のシートに座りました。
横になったりすることはなく、ふつうに座っていましたよ。

 

 何でもっと早く起こさない!

座って3分ほどで終点に着きましたが、私の目の前に座った人は降りる気配がありません。
仕方ないので客室に入り
「終点ですよ」
とだけ声を掛け、体を動かしたので降りるだろうと判断し、前の方の車両で寝ている人を起こしに向かいました。
最後部の車両に戻ってきたとき、例の旅客はまだ座って寝ているのかと思いました。
そこでもう一度
「終点ですよ」
と声を掛けると
「何でもっと早く起こさない!」
そう怒鳴った瞬間に私はお腹を殴られました。
機嫌が悪かったのか、私の態度に腹がったのかはわかりません。
しかし殴られて黙っている必要なんてありません、だからといってこちらから殴り返すわけにもいきません。
まだ20歳そこそこで体力もあった私は、その旅客を引きずって駅助役室に連れていき警察の手配を依頼しました。
ちなみにこの当時は鉄道警察隊は発足前で鉄道公安職員(鉄道公安官)でしたが、国鉄のみに関わる人たちでしたので、私鉄の場合はふつうに110番して警察の派遣を要請していました。

私も簡単な事情聴取を受けましたが、その殴ってきた人は私が最初は素通りをしたと思っており、最後になって声を掛けられたことが不満だったそうです。
警察署でかなり絞られたようだったので、告訴などはしませんでしたけどね。

タイトルとURLをコピーしました