乗務員の都合で早く出発させるな!-4

それはある駅でポイント不転換が起きた日のことです。

ポイント装置の故障で切り替えができなくなって、別の番線への進入が不可となりダイヤが大幅に乱れたときのことです。

朝ラッシュの少し前に発生し、ポイント装置の修理が完了したのは朝のラッシュが終わった10時ごろだったように記憶しています。

これだけ長い時間ポイント不転換が続くと車両の運用も無茶苦茶になるし、もちろん乗務員の運用も仕業表とは全く異なるものになるので、正常通りに復旧するにはかなり長い時間がかかります。

表面的(お客さんから見た時)にはダイヤ通りに走っている状態になっていたとしても、内々では誰がどの列車に乗務すればよいのかが把握できない状態になっていることが多いのですよ。

それに車両の運用もグチャグチャになっていて、取りあえずはスジに適当に車両を乗せている状態で運行していますから、例えば夕方のラッシュに限定的な車両運用があるとするとそこにどうやって当てはめていくのかも難しかったりします。

こういう状態の時って、ダイヤだけを見れば戻っているにしても駅扱いで列車を走らせていることも少なくはありません。

駅扱いとは集中制御装置によって信号やポイントの制御をするのではなく、各駅の信号所で信号扱い者が手動で信号現示やポイントの転換を行うことを言います。

表面上ではほぼダイヤが戻っている状態の時でした。

表面上では数分の遅れという感じなのですが、実際の列車番号からいうと60分以上の遅れが発生しなかなか元に戻らない、そんな感じでした。

乗務員の運用もグチャグチャになっていて私は本来は乗務しているハズの時間だったのですが、乗務するべき列車(列車番号)が取り消し(運転休止)となっていて乗務区に待機していました。

運転士の出退勤などを管理する助役から

「上り〇分ごろの優等列車を担当してくれないか?」

途中何度も足止めを食らうなどして、本来の乗務時間を大幅にオーバーしているというのです。

こういう時だからもちろんOKして、到着時間の前に交代するホームへ向かいました。

 

ホームへ歩いていく途中に優等列車が止まっているのが見えました。

ひょっとしたらこの列車が交代すべき列車かも!

そう思って走っていったのですが間に合わず、その優等列車は出て行ってしまいました。

乗務区の助役に状況を伝えようと構内電話でやり取りしているときに、50代くらいの男性がすごい剣幕で近寄ってきます。

「なんで勝手に早く出発させてるんや!」

表面的にはダイヤが戻っている状態なのですが、駅扱いを担当している信号扱い者からすれば大幅に遅れている状態です。

なので場内や出発信号機をどんどん現示させてすぐに出発できるような態勢で臨んでいます。

「今出て行った運転士が早く出発させたんやろ!」

そりゃそう思いますよね。

本当はメチャクチャ遅れているのだけど見た目は通常のダイヤで運転しているように見えるのですから、60分以上の遅れではなく少しの早発と受け取られてしまいます。

 

最近のJR西の案内標を見ていると、表面上はダイヤ通りに見える状態のときでもキチンと“遅れ60分以上”って書かれています。

それに比べて私が勤務していた会社では案内標には遅れという文字を出したくなかったようだし、普段は出発時刻を表示させているのに遅れだすと時間の表示をさせないこともしばしば。

表面上はダイヤ通りに見える状態のときにはほとんどホーム上に駅係員なども出てこず、普通に走ってるっぽく見える状態だったんです。

この状態で私が説明したところで納得してもらえそうな雰囲気ではなく、構内電話で助役たちを呼んで対応するようにしましたよ。

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