私が鉄道会社で勤務していた時から思っていたのですが、関西の鉄道は雪に弱い。
特にJR西日本は2023年1月25日8時30分時点で大阪環状線など一部の路線を除いて運転見合わせが続いている反面、並行して走る京阪・阪急・阪神はほぼ平常運転を行っています。
もちろん振替輸送受託による混雑等のために遅れは出ているようですが、この違いはいったい何と思ってしまいます。
JR西日本の京都周辺では昨夜から電車が立ち往生して、明け方まで「列車ホテル」状態になった本数は15本と言われていますが、阪急や京阪ではそのようなことはなかったようですし、備えの違いかなと思いますね。
私が駅勤務のころの話ですが、私がいた会社も雪に対する備えはかなり貧弱でした。
雪国ならば当たり前に備えているポイント用の電気融雪機なんて装備されておらず、灯油を入れて着火して使用する融雪機(カンテラ)がまだ現役で活躍していました。
今でも使っている会社ってあるのかな?
ケチな元勤務先ならば使っていそうだけど(笑)
名前は融雪機ですし、ポイントの可動部に雪が挟まって動かなくなることを防ぐためのものなのですが、私がいた会社では、雪が降る降らないに関係なく最低気温の予想が0度近くなる時には、前日に各ポイントに設置していました。
車庫なんてただっ広くてポイントなんて相当な数があるのですが、助役や信号士など数名でポイント一個一個に設置しておき、夜になって運転指令からの融雪機への着火指令があると再び助役や信号士が出て行って、一個一個に着火して回るのです。
ただ各駅の勝手な判断で着火することはかったですね。
運転指令から沿線の各消防局へ融雪機を使用することを伝えていないと、必ずカンテラの炎を見て火事だと119番する人がいて、消防車が出動する騒ぎになりますから。
融雪機の取り扱いは助役や信号士など決まった職種の人のみが触ることができました。
誰でも触れると勝手に持ち出して勝手に着火されたり、どこに設置したのかが分からず探し回ることになりますからね。
設置したり着火するのは助役や信号士と決まっていますが、使用しない期間は倉庫にしまっていて、春先になるとよく融雪機の掃除をさせられました。
ウエス(ぼろ布)を片手に灯油のすすで真っ黒になった融雪機を、一つずつ磨いていくのです。
私が配属されていた駅管区の管理駅(駅長所在駅)はそこそこの規模のある駅で、ポイントの数もそこそこ多い。
なので融雪機の数もそこそこあるので、助役たち数人と磨き掃除をして使えるかどうかの点検まで行うと、ほぼ一日がつぶれるのですよ。
GW前にすることが多かったけど、それこそ汗びっしょりというより、汗でボトボトという表現のほうが合うほど大変でしたよ。
今でも灯油式の融雪機(カンテラ)を使っているとすれば、前年の秋までに掃除をして使えるのかを点検して、そして今回の大雪に備えていたということになりますね。
ちなみに融雪機はあまり大きくはなく、灯油も大した量を入れられるわけではありません。
昨日夕方から使われていたとすれば、夜早い時間には1回目の給油作業をしていたことでしょうね。
灯油の入ったポリタンクを持って、融雪機一個一個に順番に給油していくのです。
たまに給油作業中に灯油をこぼして火が大きくなることもあったけど、仕方がないかな。
そして雪が小康状態になれば今度は一個一個順番に消火していくのです。
消すときは運転指令からの指示ではなく、各駅から運転指令に対して消火作業を行うことを電話連絡していました。
JR西日本は今回の大雪に備えて、どのような予防措置を行っていたのかな……