編成両数を間違えて停車させる原因
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編成両数を間違えて停車させる原因

運転士

ワンマン運転の列車で運転士が停止位置を間違えて停車させ、そのことに気付かずに車掌スイッチを操作したことで、最後部の車両がホームにかかっていない状態でドアが開いたという事案が何件か発生しています。

最近だと5月4日の豊肥本線 東海学園前駅、6月3日の都営地下鉄三田線 蓮根駅、7月9日の鹿児島本線 神村学園前駅でありました。

 

運転士って駅に接近した時には停通確認(停車するのか通過するのかを確認)をまず行います。

停車であると確認すれば何番線に入場するのか、そして編成両数を確認してどこへ止めるのかを確認します。

私が在籍していた会社ではこの辺りはアナログでの確認で、スタフに書かれた情報と信号現示を確認していました。

停留場(場内信号機や出発信号機のない駅)では基準となる停止位置までの距離を示す標識(制動距離標)が建っています。

100m間隔で建っているのですが、その路線の最高速度に合わせて長いところでは500mから短いところでは200mから建っています。

この制動距離標ですがその路線の基準となる編成両数に合わせて建っており、6両編成が基準ならば6両編成の列車を停車させる位置からの距離を示していて、4両編成だと停止位置が2両分(約40m)手前にあるとすれば、制動距離標から40m差し引いてブレーキを掛ける位置を決めます。

 

私の経験からすると、例えば6両編成を担当していてブレーキを掛ける位置を決め、実際にブレーキをかけるわけですが、何かの拍子に頭の中で4両だと錯覚してしまうことがあります。

指差喚呼で6両だと確認していても、ブレーキをかけている途中になぜだか4両だと思ってしまったりするのです。

直線のホームで先に4両の停止目標が目に入った瞬間に、目も頭も4両の方に集中してしまうとか。

一瞬目線を前方から切ってしまい、すぐに前方に戻したときに6両から4両へと目線が変わってしまったとか。

あとはスタフを見て6両だと喚呼した瞬間から、なぜだか頭の中では4両だと思い込んでしまうとか。

この辺りが編成両数を間違えて停車させてしまう原因かなと思います。

中には特に確認もせずに〝いつも通り〟の場所に止めて、停止場所誤りを発生させるケースもあります(このケースが意外と多いのかもしれないが)

レアなケースだと、工事等によって停止目標の建植位置が変わっているのに忘れていて、元の建植位置に止めようとするとか。

4両と6両の停止目標は同じ場所にあると根本的に勘違いしていて、停車させる場所を間違えるというのもレアなケースではあるようです。

私は幸いなことに、一瞬勘違いして停止場所を間違えそうになっても、途中で気付いてセーフだったということばかりでした。

 

理想で言えばすべての列車の編成両数を揃えればこのようなミスは起きません。

それが難しければ、編成両数が違っていても全列車の停止位置を揃えればよいのですが、そうすると駅の構造によっては後部に改札などがあるのに、列車は前の方に停車するのでお客さんの移動距離が長くなるというデメリットが発生します。

車掌が乗務しておれば、停車位置を間違った場合には車掌から運転士へ知らせることで、停止場所を修正できる可能性が高まります。

経費を切り詰めるために車掌の乗務を省略してワンマン運転とするのならば、編成両数の統一または停止場所の統一を行わないと、運転士一人の注意力のみに安全を委ねるというのは鉄道会社としてはどうなのだろうと思います。

きちんと会社での取り決め通りに確認作業を行っていても、そして自分で自分を守るためにさらなる確認作業を追加して行っていても、編成両数の誤認による停止場所誤りはどうしても発生してしまいます。

 

運転士の注力力が散漫だから起こるといった声が上がるのも分かります。

実際にそうだと思います。

でもそういった声を上げる人は、例えば字を書いていても間違えることなど一切なく、消しゴムも必要ないのだろうし、書き直しだと言って用紙をグチャグチャっと丸めてゴミ箱に放り込むこともないのでしょうね。

運転士は2~3時間ほど続けて乗務することもありますから、9時に出社して12時まで一切ミスなく、誰とも話をせず、コーヒーなどを飲むこともなく仕事ができる、ロボットのような人が声を上げているのだろうなと思っています。

 

とにかく、いつも通りの所に止めればいいと確認もせずに停車させる運転士を除いて、たいていは一瞬だけ魔が入り込むことで停車場所を間違えることが多い。

私も何度もこの魔に入られたことで停車場所を間違えそうになりましたが、必ずブレーキをかけてからもう一度スタフをチラ見して確認するクセをつけたことで助かってきました。

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