7月9日15時25分ごろから西鉄大牟田線で運行を見合わせ、20時ごろから運行を再開した原因は通信トラブルで、福岡県那珂川市にある西鉄の無線基地局周辺への落雷が原因ではないかとのこと。
無線基地局が使用できなくなれば、運転指令と列車との間でやり取りができなくなるのですから、列車の運行中止は当然のことでしょう。
無線が使用できないことを乗務員に通告もせず、終点や起点駅など主要駅に助役等を立たせることで、無線の代わりとなるので運行は通常通り行うなんて、とんでもないことを行った関西某大手私鉄とは雲泥の差です。
関東や関西ではこのケースでは振替輸送を実施するのですが、西鉄では平行するJR九州・鹿児島本線との振替輸送は行われませんでした。
西鉄とJR九州との間には振替輸送に関する取り決めが交わされていないようで、会社ごとの考え方が原因なのか、それとも物理的な無理なのか。
会社ごとの考えによって振替輸送に関する協定が結ばれていないのならば、それは西鉄とJR九州双方に嘆願するほか手はない。
振替輸送に関してはあくまでサービスで行っており、しなければならない!といった決まりがあるわけではなく、行政側だって振替輸送の協定を結べとは言えない。
「他の鉄道会社への振替輸送についても検討することが望まれる」としか行政は言えません。
またラッシュ時間帯を中心に相当混雑しているでしょうから、相手方の利用者をすべて引き受けた場合に支障が出ることも考えられます。
JR九州はただでさえ運行本数の減少や編成両数の短縮で相当クレームが出ていたわけですから、そう簡単に振替輸送を引き受けるとは思えないですから。
バスによる代行輸送もバス運転手の相当な不足がありますし、定期の路線バスをすべて運休して代行輸送に回す以外に現状では無理です。
振替輸送の実施回数が増えてきたのは、阪神淡路大震災(1995年)が落ちついて以降のこと。
そして2002年の東海道線救急隊員死傷事故以降、人身事故でも振替輸送を実施するようになり激増したのです。
実際のところ乗務している者からすると、振替輸送の時の乗務はイヤでした。
ラッシュ時間帯はもともと相当混雑しているわけですが、そこに普段は他社を利用する人も乗車するわけですから、列車・駅によっては積み残しも出ますし、多客による遅延も発生します。
するともともとの利用者からクレームが出るのです。
振替輸送は仕方がないが、せめて臨時列車を出せ!
普段からかなり混んでいるのにさらに乗せやがって!
お前のところの会社は儲かるかもしれないが、なぜ客が我慢して乗車しなければいけないんだ!
振替輸送で大混雑している時ってこのようなクレームを直接吐かれることが多々あり、そして列車は遅延を出すし、普段利用しない人への案内も当然多くなるし、正直言って乗務員には何のメリットもない。
今はどのような取り決めになっているのかは知りませんが、昔は振替乗車を受託しても普通運賃の半分しか相手方鉄道会社に請求できなかったりと、決して鉄道会社としても儲かる手段ではなかったですし。
あくまでサービスとして行っているに過ぎないのが振替輸送です。
定期券については連続して5日以上の不通が続いた場合に、払い戻しまたは有効期限の延長と言った措置が取られる。
乗車券については全額払い戻し、途中で旅行をやめる場合は前途区間の払い戻し、出発駅の戻ることができるなどの決まりがあるので、これらの決まりを適用すれば本来は振替輸送は必要がない。
でも実態としてそうもいかないから、振替輸送を実施しているというのが本当のところです。