恐怖の日付印

記念すべき第1回目の思い出話は、駅での見習時代の忘れられない話です。

私が会社に入ったころは、回数券はまだ手売りでした。
やや大きめの台紙にミシン目が入った回数券が11枚連なっています。
その台紙部分に発売日の日付印を押し、使用する際にも同じように押すのですが、ゆっくり丁寧にすれば誰でもきれいに押すことができます。
でもゆっくりなんて押すことはできませんでした。

この当時の改札業務って忙しかったですから。

私が駅勤務の見習の際のお師匠さんは、とにかく堅物の人でして。
日付印を押すスペースの丸印から少しでもはみ出したらぼろクソに怒られ
日付印の一部でも欠けて押せていなければ、またボロカスに怒られていました。

よく年配の女性のお客さんに
「へこたれずに頑張りなさい」
って声をかけられましたよ。

この日付印は切符を挟み込む形ではなかったから本当に大変でした。

 

 

回数券を1冊買って、一度に5~6人で利用する人も当然いました。
見習中はそれが本当に恐怖で、全神経をこの日付印に集中させて押していましたよ。

自動改集札機も設置はされていましたが、まだまだ改札で駅員の手で行う仕事が多かったそんな時代です。
とにかく素早くパンパンパンと、そしてきれいに正確に押さなければいけなかったのです。

いまとなっては良い思い出ですが、あの当時はとにかく日付印を押さなければいけない仕事が恐怖でした。
いっつも改札でお師匠さんに怒られていましたからね。

鉄道の現業職を離れ事務職に就いていたとき、この日付印を早く正確に押す技術は重宝しましたよ。
書類に印刷された枠の中に、誰よりも早く正確に受付のしるしである日付印を押せていましたからね。
でも昔怒られながら改札で覚えた日付印押しが、今の時代に役に立ったのも不思議な気はしましたよ。

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