大晦日

今では24時間営業の店も多くなりましたし、元旦から営業する店も増えました。
ところが私が車掌のころまではあまり正月から営業しているお店は少なく、大晦日は普段より早く閉める店が多くて食べるものに本当に困りました。

 

駅では各駅で自炊していましたし、駅長所在駅など駅勤務の人間が多いところではおしるこを作ったり、皆が家から餅やおせちを持ち寄ったりしたのでかなり楽しかったのです。
ところが車掌や運転士がいる乗務区では料理なんてしません。
大晦日や正月はみんな家から弁当持参で出勤していました。

 

独身で一人暮らしや寮に住んでいる人間にとっては、年末年始の食糧事情は本当に大変だったのです。

 

 

車掌2年目だった私の大晦日の勤務は23時少し前に終了。
お腹は空いているのですが、乗務区周辺のお店はすべて閉まっていました。
そしてコンビニも近くにはなく、下手したら空腹のままひもじい思いをしながら年を越さねばなりません。

 

同じような時間に上がりとなった数人で話し合って、仕方がないので歩いて店を探しに行くことに。
途中に神社があって、大晦日なので提灯は灯っているのですが屋台は一切なし。
仕方なく歩き続けて大通りに行き、開いていた吉野家に吸い込まれるように入っていきました。

 

寒い中を30~40分歩いて食べた牛丼は、本当にお腹に染みましたよ。
食べ終わって歩いてきた道を再び戻り、乗務区へ帰りついたころには年を越していました。

今では駅では何も作らなくなり、食べ物を持ち寄るようなこともないようです。
乗務区の周辺にはコンビニもできましたし、24時間営業しているファストフード店もできました。

もう30年以上前の話ですが、今でも大晦日を迎えるたびに
あの吉野家の牛丼を思い出すのです。

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