「停止せよ」「すみやかに停止せよ」「ただちに停止せよ」

タイトルの「停止せよ」「すみやかに停止せよ」「ただちに停止せよ」という文言は、各鉄道会社のさまざまな規程の中に出てきます。
「すみやかに停止せよ」と「ただちに停止せよ」は同じニュアンスのようですが、少し違った意味合いで使われていました。私が勤務していた会社の規程類には「停止せよ」「すみやかに停止せよ」「ただちに停止せよ」の三つの文言が使われていました。

どの文言も「停止」を要求しているわけですが、違いって分かりますか?
例えば前方の信号機がR(赤)現示の場合、「停止せよ」ならばその信号機までに止まれという意味。
「すみやかに停止せよ」「ただちに停止せよ」ならば、その信号機の建植位置にかかわらずに止まるように要求されているわけです。
「停止せよ」の場合は常用ブレーキで信号機までに止まれそうならばそれで良いし、場合によっては非常ブレーキを入れても良いという感じですね。緩いブレーキで止まれるのならば緩いブレーキでもOK。
「ただちに停止せよ」の場合はこの例では信号機までまだ距離があるとか関係なく、とにかく非常ブレーキを入れてすぐに止まれという意味。
あいまいなのが「すみやかに停止せよ」で、この例ではとにかく信号機のR(赤)現示を確認したのならばすぐにブレーキを入れて止めろって意味合いになり、常用ブレーキや非常ブレーキの選択は運転士の判断に任されている側面が強いです。大丈夫だと思えば全制動で、まずいと思えば非常ブレーキって感じなのですが、最近は「ただちに停止せよ」とほぼ同様の扱いになっているように思います。

たとえば客室内に設置されている「非常通報装置」を動作させた場合には乗務員室内でもベルやブザー等が鳴動するのですが、規程ではこれらのベルやブザー等が鳴動した場合は「停止せよ」、つまりふつうに電車を止めるくらいのブレーキで停車させればOKとなります。
踏切の異常を知らせる特殊信号発光機の点滅を確認した場合、私が勤務していた会社では原則として特殊信号発光機の建植位置までに「すみやかに停止せよ」、その後は当該踏切まで徐行運転することになっていました。
特殊信号発光機が点滅しだしたのを確認した場合、その距離から言って非常ブレーキを入れざるを得ません。そんなに早くから点滅しませんからね。
でも規程で特殊信号発光機の動作を確認したら「すみやかに停止せよ」となっていたら、まずは全制動で様子を見ちゃうのかなと思ったりもします。

信号機の点灯(特殊信号発光機の点滅等)を運転士が確認した場合、これまでは「すみやかに停止」としていた運用基準を「直ちに非常ブレーキをかける」と厳格化した。
危険知らせる信号機増設 緊急ブレーキ積極活用へ 踏切事故受け京急という記事を読んで、私が勤務していた会社でも「停止せよ」「すみやかに停止せよ」「ただちに停止せよ」を使い分けていたことを思い出し書いてみました。