JR東日本で名札を自作した高校生がスーツ姿で運転台に添乗
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JR東日本で名札を自作した高校生がスーツ姿で運転台に添乗

運転士

2023年1月16日13時20分ごろ、JR東日本・八高線の拝島駅で、自作したJR東日本のグループ会社の名札風の物を装着したスーツ姿でホームに立ち、

「グループ会社の業務のために乗務員室に乗せてほしい」と運転士に声を掛け

※運転士から「乗りますか」と声をかけたという報道もある

東飯能駅まで〝添乗〟したという。

その後別の列車に乗り込もうとした際に運転士が不審に思い、発覚したと言います。

この高校生は7月11日に家裁送致されています。

JR東日本では業務に関係する人を乗務員室に入れる時は、所属と名前と目的を確認して必要に応じて社員証を確認する決まりとなっているらしいのですが、今回はその手順が欠落してしまって〝添乗〟させてしまったようです。

 

特に業務に関係のない社員であっても適当に運転士に受け答えして、社員証を見せれば添乗が可能ということになります。

それはそれでどうなのかなと思いますが。

私がいた会社では運転台への添乗については次のような決まりがありました。

運転士が操縦する運転台へ添乗するには、

  • 監督職を示す腕章や職帽を着用していること。
  • 添乗を認める場合に発行される添乗用の腕章の着用。
  • 運転士見習とその指導員は所定の腕章などを装着。
  • 本社の取締役などは顔写真入りの名札を装着、無い場合は添乗用の腕章が必要。

これら以外の場合は運転台への添乗は認められていませんでした。

運転士が便乗によって移動する場合も、運転台へ添乗するには添乗用の腕章がなければ立ち入ることはできません。

便乗の際は客室に乗車しての移動が基本で、混んでいる時には車掌台に限って添乗が可能となっていました。

猛暑日などに線路の歪みがないかなどを確認するために警戒添乗する場合でも、必ず添乗用の腕章が必要でしたし、それこそ国交省の査察官だってこの腕章をがなければ絶対に運転台に立ち入らせることはありません。

ちなみに私が運転士になった当時は、社長であろうと名札だけでの運転台への添乗は認められておらず、必ず添乗用の腕章をしなければいけませんでしたが、おそらくですが、取締役の連中の中になぜ我々が腕章なんてものをしなければいけないのだ!みたいな反発の声が出てきて、運輸系の部長あたりが名札だけでOKと規則を改悪したのだと思います。

 

スーツ姿の人が運転台に添乗することはありますが、自社の取締役などであれば役員用の顔写真入りの名札、グループ会社の取締役の場合は添乗用の腕章が必要と、かなり厳しく制限していました。

なので高校生くらいの人がスーツ姿で添乗させてほしいとやってきても、その若さで取締役に就任しているというのはあり得ないし、取締役以外のスーツ姿の人が添乗用の腕章を持っているということも絶対にないので、私のいた会社では今回のような事件は起こらなかったと思います。

しかし運転台に乗り込んできて運転の様子を見るとか、運転士と話をするだなんてちょっと信じられないですよ。

今回はただの変質的な鉄道マニアだったからこれで済んでいるけれど、例えば刃物など何らかの凶器を所持した悪意を持った人だって名札さえ自作できれば簡単に〝添乗〟できることが証明されたわけですから、列車の乗っ取りのほか乗務員室内に火を放つといった凶悪犯罪も比較的簡単にできてしまう。

それだけに現行のJR東日本の添乗に関する規定はちょっとわきが甘いというか、何も考えていないなと思ってしまいます。

私がいた会社も昔のように、取締役であっても添乗用腕章必須に戻しても良いのに。

だって客室のお客さんから見ると、本社の幹部か何か知らないけれどなぜスーツ姿のおっさんが、ゆうゆうと運転席に乗って出勤しているのに、

金を払って乗っている客はぎゅうぎゅう詰めのところにさらに押し込まれて乗車しているのにって、思われても当然ですから、後ろから見ても分かるようにせめて添乗用に派手な腕章をしていればいいのにって思います。

世間の目と現状の危機対応をもう一度見つめ直して、添乗に関する規定を見直すべきでしょうね。

 

 


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